私は出自が赤穂の田舎者だから、まず最初に触れた都会というのは姫路である。大阪なんてまばゆいばかりの大都会、初めて行った東京はあまりにも大きすぎてイメージがない。それはさておき、その後淳心学院中学・高等学校に6年間通ったからまあいっぱしの姫路人を気取っていた。都市の規模なら広島の方が断然大きいのだが、なんかそれを凌駕するイメージが私にはある。
意外と知られていないが、姫路というのは文教都市である。なんといっても旧制姫路高校の伝統がある街だ。昔は丸善が店を構えていたのである。そこでよく「月刊カープファン」を買った記憶がある。今は丸善はジュンク堂と合併したが、もちろん姫路にはジュンク堂がある。もちろんそれなりの規模で。ジュンク堂と言えばもともと品揃えの豊富さが売りだが、それは今でも引き継がれている。
さらに、姫路はスポーツの街でもある。もちろん旧制高校の伝統もあるだろうが、それに拍車をかけたのが新日鐵広畑である。野球はもちろん、バレーボールも強かった。その伝統は女子バレーボールのヴィクトリーナ姫路に引き継がれている。野球で言うなら夏の選手権全国制覇を果たした東洋大学附属姫路高校がある。今は独立リーグのチームも出来たようだ。
しかし、それだけなら広島の方が当然格上である。広島だって旧制広島高校があったわけだし、丸善だってあった。しかし、だからといって何か文教都市という感じがしない。それはもう、広島大学を東広島に追いやった時点で致命的にアウトだといっていい。医学部が市内に残り、法学部が東千田に帰ってこざるを得なかった時点で、その正統性は崩れているのだ。
スポーツで言うならプロスポーツだけでも野球、サッカー。バスケットボールで日本一になった街である。完全プロの時代ではないがバレーだって日本一になっている。高校野球ならば春5回、夏7回の優勝を誇るし、高校サッカーも広島一中や広島高等師範附属中学以来の強豪県である。しかし、スポーツの街かと言われても、何か違う気がする。
いや、これもきっと昔はそうだったのかもしれない。少なくとも私が広島に居着くことが決定的になった平成7年以降は、そういう気がしない。ひとことで言うなら今の広島はカープ依存都市、もっと悪く言えばカープ寡占都市なのである。その頃の高校サッカーはとても「御三家」と胸を張って言える成績ではなかった。それには2008年、大迫勇也擁する鹿児島城西高校を決勝で打ち破った広島皆実高校の戴冠まで待たねばならなかったのである。
ちなみに、その時のエースストライカーで決勝戦で決勝点を挙げた金島悠太選手は、明治大学法学部から一橋大学の法科大学院に行った後予備試験に合格して法曹界に入り、今や弁護士として一国一城の主である。ただし、もちろん、広島弁護士会ではない。何度も言うようだが、広島から東京に出た優秀な人材は、決して広島に帰ってこない。これが現実である。
話を戻す。カープというチームが、それでも誠実に広島という街に何か還元したならば、まだ救われたかもしれない。しかし、現実はNeinである。ある意味、広島とカープの関係はカープの一方的な寄生であり、そんなチームに広島という街が依存しているという非常に歪な関係であるといっていい。そこに見えていたのは、ハジメとカズミ、ユザキの悪のトライアングルだったのである。
しかし、悪事は長く続かないのかもしれない。ハジメ独裁で貫き通してきたハジメ神権帝国は、エトミデート疑惑で息も絶え絶えである。それ以前に肝心のハジメの消息が知れない。生きているのかどうかさえ分からない。そして、その映し鏡のような状況だった広陵高校も、昨年発覚した集団いじめ問題以降ボロボロだ。中井監督も平成3年春の全国制覇のときは良かったのだが、やはり長く居座ると腐るのだろう。
もはや広島は札幌や福岡とは周回遅れ以上の差を付けられ、中国地方の中でも他県からそっぽを向かれている。もし現状で道州制が施行されたとしたら、中国地方の州都は間違いなく岡山になる。いや、鳥取だって関西を向いているし、山口は九州を向いているし、島根も松江や出雲は岡山寄りだ。今に広島だけ飛び地にされてしまうだろう。東京の直轄領になったりして。そうなったら逆にアホな広島人は喜ぶだろうな。まあ仕方ないか。街の品格が低いんだろうな。
人気ブログランキング

コメント