来年から本格的にJリーグも秋春制が導入され、いよいよ来年からは大晦日はサンフレッチェの前半戦を振り返る趣となる。昨年は時間が取れず書けなかったが、今年から定例行事にしたいと思う。まあ来年前半は百年構想リーグがあるので、相変わらず1年を振り返ることになるとは思うが、本体のリーグ戦の帰趨という点では、中間評価をする場になることは間違いない。
今年のサンフレッチェ、ルヴァンカップ戴冠はあったものの、リーグ戦は4位、天皇杯はベスト4に終わった。改めて思い知らされたものは、タイトルを取るにはやはり何かが足らないというところである。いや、毎年言っているところであるが、フィニッシュワークの決定力が足らない。結局今年も勝てる試合を取れなかったのをDéjà vuのように見続けてきたのである。
クラブも手をこまねいていたわけではないだろう。ヴァレやジャメ、前田直輝、木下康介など補強を続けた。しかし、組織としてフィットしないままに終わったといえばいいだろう。特にジャメは不完全燃焼で終わったことだろう。もっと彼がかつてのようにエゴイスティックにゴールを狙えば良かったのだろうが、その辺りをどのようにSkibbeが指示していたのかは分からない。
SkibbeからGaulに指揮官が替わって、その辺りがどう熟成されるのかは分からない。本体のリーグ戦の前に百年構想リーグが行われるから、そこでの出来映えがクラブにとってもひとつの判断材料になることだろ。ただ、どこかの赤い帽子の野球チームと違って育成と結果を追い求めると語っていることは期待したい。
チーム全体から見ると、急務なのはディフェンダー陣のサブスティテュートだろう。荒木隼人はともかく、佐々木翔も塩谷司も年齢を重ねている。山崎大地、キム・ジュソンだけでは辛い。志知孝明が帰ってくるのは朗報だが、イヨハ理ヘンリーや木吹翔太のレンタルバックがあるのか、さらなる補強があるのか、今後を見守りたい。
さらに、田中聡の移籍に伴う穴をどう埋めるか。彼は余人に代えがたい人材だっただけに、どのように補強するのかが見所だ。小原基樹はドリブラーだから少し毛色が違う。中島洋太朗はファンタジスタ型だし、昇格が決まった小林志紋もそうだ。これだけは移籍市場をよく見定める必要があるだろうし、今後の展開を見定めたい。
もうひとつの論点は、外国人だ。現在キム・ジュソンとトルガイ・アルスランのみ。前述の点を踏まえて、どういうタイプの外国人を獲得にかかるのかだろう。むしろこれは、百年構想リーグが終わったあとに、海外の移籍市場が幕開けになってから本格化するかもしれない。しかし、その前に一人か二人は欲しいところである。トルガイも来年36になるから、いつまでも頼り切るわけには行くまいし。
その意味では、今のサンフレッチェの強化部の本気度と実力が試されるといっていい。幸いにクラブ収入は飛躍的に増大して、金ならないわけではない。後はそれをどう使うかは、智恵だ。昨年はSkibbeの要望もあって前線の選手を中心に獲得したが、今年はそういうわけにはいくまい。各ポジションバランス良く競争させるのが望ましいが、果たしてうまくいくかどうか。
クラブの本気度という意味では、もうひとつ試されるのはファン獲得とつなぎ止めだろう。今はいいようだが、エディオンピースウイング広島の収容能力から、チケットが取りづらくなっている現状があるし、それがライトなファン離れの原因にもなりかねない。さらにいえば、今はそれなりに勝てるから良いが、現状維持が続いても駄目だし、弱くなったら話にならない。
幸いに、今のサンフレッチェは完全にカープのあり方を他山の石というか、それをアンティテーゼにしている節がある。カープのビジネスモデルは完全に泥船だ。グッズひとつとってももはや今はカープはサンフレと比較にもならない。安物のノベルティをいかに高くたたき売るかというカープのビジネスモデルは早晩破綻するだろう。
話が逸れた。サンフレッチェにとって今はピンチでもあり、チャンスでもある。チケットが取りづらいという面は、チームが強くなることで満足させるしかない。そしてカープから離れているライトなファンの獲得を図り、サンフレッチェにつなぎ止める努力をすることが出来るのである。これはビジネスチャンスではないか。ひとつ間違えばカープと同じ轍を踏みかねないが。
さて、来年の大晦日、どういう総括をすることができるだろうか。ちなみに2026年度天皇杯の決勝は2027年元日に国立競技場改めMUFGスタジアムで行われることが決まっている。元日決戦への展望を書くことが出来れば良いのだが。
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