森下無双、だけれども

スポーツ

はっきり言って、5回表までは今日はさしもの森下も持たないだろうと思っていた。その時点まで被安打8。よく粘ってるけどねというくらいにしか見えなかったのである。一方のカープのオフェンス。デーヴィッドソン様がお打ちあそばされたとはいえ、なんせ2安打。そもそもスターター自体野球をなめてるだろうとしか思えなかったのである。

件の5回裏。デーヴィッドソン様の二塁打を起点に作った無死一二塁のチャンスを、今日最大のミスキャストである矢野が走者を進められないという最悪の状況だった。そこで森下。こんな長打が喉から手が出るほどほしい場面で、プロ初本塁打である。しかもその打球は野手顔負けというか凌駕さえしていた。これは紛れもなくスーパーヒーローであることの証明だ。

あとは、もう語るまでもない。きっと森下のあの一打はベイスターズの選手の度肝を抜いてしまったのだろう。混沌としていた試合の潮目が、一気にカープのものになってしまったのがその証左である。

ただ、さすが森下というだけで総括するのは違うだろうと思う。結果論で言うわけではないが、今日は残念ながらミスキャストと言わざるを得ないオーダーだった。前回機能しなかった5番堂林に固執したのもわからないし、ショート矢野なんてふざけるのも大概にしろとしか言えない。森下のホームランの裏には、今日のミスキャストに対する彼なりの思いがあったのではあるまいか。

事実、今日のヒーローインタビューでの森下は、いつもはほんわかしているところ、今日はいつになく気持ちがこもっていた。もちろん賢明な森下のことだからこの試合を絶対に落としてはならないということを理解していたからなのだろうが、今日のオーダーや野手のパフォーマンスに対する思いがあったのかもしれない。

だから、今日はよく勝った、森下きゅんすごいというだけでは、いささか頭が弱すぎるというべきだ。上を目指すためには何が足らないかということを如実に示してくれたとも言えるのだ。少なくとも、なぜか厚く処遇されてあるチビどもじゃ話にならないということを。

まあ、ひとつ間違えば昨日の逆ねじ食らわされかねなかった試合をものにできたのは、デーヴィッドソン様と森下のホームランだったというのが示唆的だろう。明日は野村祐輔対ロバート・ガゼルマン。打って打って打ちまくらなけらばならないことくらいは誰にでもわかるだろう。そのためには、ショートにオフェンスの役に立たないチビを使ったり、末包を捨て代打にするなどということをしてはいけないのである。わかりる?新井くん。

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