朝山東洋コーチの店でサムギョプサルとマッコリに舌鼓を打ちながら追いかけた、週末の広島プロスポーツ。そこにあったのは、ピッチ上の不条理と、グラウンド上の虚構が交錯する後味の悪い現実だった。
粗暴なプレイを撒き散らすアビスパ福岡の悪質性と、それを咎められない審判団の生ぬるさ。そして、佐藤啓介の1発と相手の自滅に救われただけで浮かれるカープファンと、腐敗の根源に居座る「マツダ商店」の罪深さ。うまい酒の裏で研ぎ澄まされた冷徹な眼差しで、両クラブが抱える構造的課題を同時にぶった斬る。
朝山のサムギョプサルと、暗転するスタジアムの文字情報
昨日の夕方は、朝山東洋三軍コーチが経営する店「朝山家 カンナサムギョプサル ASA」で料理とお酒を楽しんでいた。店内のテレビではプロ野球の中継が嫌でも目に入ってきたが、肝心のサンフレッチェの試合はスマホのテキスト速報で経過を追いかけるしかなかった。せっかく推しの越道草太がスタメンに名を連ね、後半からは今年注目の小林志紋が投入されたというのに、その躍動をじっくり映像で堪能できなかったことだけが実に悔やまれる。
とはいえ、お店の味自体は実に見事なものだった。気取らずに美味しいサムギョプサルを頬張ることができるし、店内も清潔で雰囲気が良い。朝山コーチご本人も店に立たれて接客されており、野球ファンとしても心地よい空間だ。場所柄、決して「格安」という価格帯ではないため相応の予算を用意して臨むべきだが、払った金額に見合うだけの満足感と価値は確実にある。昨日は極上のサムギョプサルとともに美味いマッコリを飲み過ぎてしまい、帰宅してお風呂に入った瞬間にそのまま泥のように眠りこけてしまった。というわけで、やや酒気が残るおぼろげな記憶を辿りながら、昨日の試合について書き残しておこう。
壊し屋アビスパの横暴と、Jリーグを脅かす「下位の居直り」
まずサンフレッチェの試合だが、率直に言って非常に後味が悪い内容だった。「またアビスパがやらかしたのか」と思うと、心底反吐が出そうになる。小田逸稀という粗暴な悪徳選手が他所へ去ったと思えば何のことはない、危険で悪質なプレイそのものがアビスパというクラブのお家芸であり、体質だったのだと思い知らされた。昨日は主審の煮え切らない曖昧なジャッジも拍車をかけ、観ていて実に不快だった。これほど粗暴なサッカーを撒き散らすなら、一度JFLあたりからやり直させたらどうなのか。もっとも、カテゴリーを落としたところでその悪質さが治るのかは怪しいものだが。
先日のファジアーノ岡山戦におけるルカオの暴挙といい、どうもリーグ下位に低迷するチームは「生き残るためなら何をしても許される」と勘違いしている節がある。ちなみにそのルカオは昨日の試合でついに一発退場を食らったようだが、自業自得であり「ざまあみろ」としか言いようがない。ルカオの件はさておき、アビスパは一体あと何人の選手を破壊すれば気が済むのか。前述の小田にしても、移籍先の大分トリニータで相変わらずその悪質性を遺憾なく発揮しているようで、まったく手に負えない惨状だ。
もちろん、相手の非ばかりを責めるわけにはいかない。昨日は鈴木章斗のファウルに対してVARが介入する冷やりとする場面があった。幸いにもレッドカードは免れたものの、あのようなプレイは絶対に感心しない。いかに相手がラフプレイを仕掛けてこようとも、その愚かな挑発につられて熱くなってしまっては相手の思うツボであり、自分たちから不要なリスクを抱え込むだけだ。ピッチ上の冷静さと意思統一を、チームとしてもう一度徹底してほしい。
また、昨日の攻撃陣はどこか腰が引け、思い切った仕掛けができていないようにも映った。もし相手の荒いプレイに気圧された結果なのだとしたら、あまりにも残念だ。壊し屋たちに「荒いプレイで威嚇すればサンフレッチェは怯む」という愚かな成功体験を与えてしまえば、Jリーグのサッカーそのものが歪んだ方向へねじ曲がってしまう。だからこそ、そうした無法者たちに対しては圧倒的なフットボールで徹底的に叩きのめし、完の内にひれ伏させることが本来あるべき姿なのだ。その意味において、昨日の結果は実に物足りないものだった。
タイガース自滅の隙を突いたカープと、変わらぬ腐敗の根源
一方のカープだが、まあよく勝てたものだと呆れ混じりに思う。だが誤解してはならないのは、何か特別なマジックや采配で勝ったわけではなく、単にオフェンスが普通に点を取り、栗林良吏が粘ってリードを守り切ったという「至極当たり前のスコア」に落ち着いただけの話だ。シーズンを通してこんな当たり前のプレイすら放棄してきたからこそ、借金を20も抱える惨状に陥っているのである。たった一勝を挙げただけで大喜びしている連中は、心底頭が弱いと言わざるを得ない。私などは試合が終盤へ向かうにつれ、その虚構に呆れ返ってシラけきってしまった。
それでも敢えて褒めるべき点を挙げるなら、昨日の断然の殊勲甲は佐藤啓介だ。1回表に阪神のエース・村上頌樹から鮮やかな先頭打者ホームランをぶちかましたからこそ、試合の流れを強引に引き寄せることができた。あの1発がなければ、1回裏に先制されてそのままズルズルと敗走していた可能性が高い。アウェイゲームは不利だと思われがちだが、1回表に先手を打って相手に圧力をかけられるという大きなメリットがある。佐藤はその強みを完璧に活かしてみせた。
あとは「タイガースも大したことはありませんね」と皮肉の1つでも叩き込んで差し上げたいところだ。このチームは伝統的に、シーズン終盤の勝負所で競り合う展開になると脆さを露呈する。この3連戦にしても、床田寛樹の自滅というアクシデントはあったものの、カープ打線が死んでいたから優位に立っていただけに過ぎない。昨日の試合だって、佐藤のホームラン以降の得点はすべてタイガース側の集中力を欠いたミスが絡んだものだ。本当に強いチームであるならば、あんな不細工な敗戦を晒すはずがないのである。
もっとも、カープが他球団の不甲斐なさを笑える立場にないことなど百も承知だ。球団が向き合うべきは、エトミデート疑獄と菊池涼介のパワハラ・ハラスメント問題に対して、どのような落とし前をつけるのかという一点である。本気で組織を変革したいのであれば、血を流してでも大幅なテコ入れを行い、既存の選手を半分以上入れ替えるだけの大規模な外科手術を行って、初めてスタートラインに立てるのだ。まあ、その大手術を果たす前に、まずは松田元という元凶をなんとかしなければ始まらないのだが。彼が生きているうちに、ね。
ラフプレイに屈して本来のフットボールを見失うサンフレッチェも、相手のミスで拾った1勝に安堵して根本的な不祥事から目を背けるカープも、真の強者には程遠い。ピッチやグラウンドで見せる一瞬のプレイには、そのクラブが持つ美学と品格が嫌でも滲み出るものだ。
血を流す覚悟で悪しき体質を削ぎ落とし、圧倒的な強さと正当性を証明してみせよ。無法者の横暴も、ぬるま湯経営の言い訳も、もう見苦しいだけである。
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