「4番上本」の発想がカープを滅ぼす。

カープファンの間では、クライマックスがどうのとか2位抜けできるかどうかとかいう言葉が飛び交っているようだが、私はどうもそれに与することができない。もちろん負けてしまえと願っているのではなく、心折れてしまったというのが正しい。それだけ、この連敗の内容は堪えた。ひとことでいうと、処置なしなのだ。

そんな中、今日も明日も試合がない今、少しでも前を向くためには、来シーズン以降のカープが誇り高く戦えるためにどうあるべきかということばかり考えている。しかし、考えれば考えるほど解決すべき論点の多さに押しつぶされそうになる。それがオーバーなら、それを書くだけで数日分のネタになりそうということだ。

その中で、もっとも痛切に思っていることとは、まさに標題のとおりである。カープが今年勝ちきれなかった最大の要因は、火力不足という積年の課題にあるとしか言えない。もっと正確に言うと、火力の軽視。その最もたるものが、今年のカープを象徴する「4番上本」起用である。

頭の悪いカープファンは、未だにこれを評して「繋ぎの4番」だという。しかし、これは誤りだ。過去「繋ぎの4番」といわれて成功したのはかの「マリンガン打線」の4番サブローだが、いうまでもなくサブローは大物打ちではないというだけで、それなりに長打力もあるいわゆる中距離ヒッターだ。上本と比べるのは失礼極まりない。上本なんて本来身分が違うのである。

今回の措置は西川離脱によるものだったが、まともなチームならマクブルームの絶不調を見た時点で4番、といわないまでも新たな主砲候補の育成に舵を切る。もし候補者がいなかったら、国内市場に打って出てでも探す。それが当然なのだ。而してカープは、それを無視したうえに、どう考えてもオフェンスの絶望枠に託したのである。あり得ないにもほどがある。

そもそもおかしいのは、今年のカープ、いやここ数年ずっとそうなのだが、長距離ヒッターの育成を無視し、非力なチビばかり優先して起用している。もちろん活躍したら何でもいいかもしれないが、足を引っ張りこそすれ大活躍をしたという場面にほとんどお目にかからない。昨年までなら佐々岡のせいかと思ったが、今年も直らないのでそうでもなさそうだ。

そうすると、被疑者はひとりに絞られる。もたろん、松田元しかいない。なんせチームを弱体化させることを考えさせたら右に出るものはいない。きっとそうだ。本当に、打首獄門に値する。

いずれにせよ、来シーズンカープが上位で戦う、いやセントラルを一蹴して日本一になるためには、まず火力の強化だ。どのポジションがというのはない。全ポジションである。何度も言うようだが、「400フィート打線」へのモデルチェンジが必要だ。

そうすると、今年のオフシーズンの立ち回り方も決まってくる。もちるん、非力なチビの淘汰である。そのために、ドラフトや移籍市場で今いる選手の上位互換足り得るパワー型の選手の獲得に動けば良い。いいところ守備代走要員がいけしゃあしゃあとスターターででるこの現状を改めないと、本当に、来年はない。

そう言えば、もうあとひと月でドラフト会議だ。私は以上の理由から、今年はパワー系の野手中心でもいいと思っている。何故かドラフトとなるとふたこと目には即戦力投手がーとしか言えないあほうが多いのだが、それじゃ本当にカープは駄目になる。いいんですか？来年もまた故障者が続出したら上本が4番打つようなチームで。

一応言っておくと、私は上本のレゾンデートルを否定するものではない。パワーが足らないけれども、バイプレイヤーとしてはいい線いっていると思う。ただ、クリーンアップ打たせるのは間違いだし、その顔じゃない。そもそも彼のような選手がスターターで働かなければならないチームは弱いのである。