割と最近、そんなことを真剣に思い出すようになってきている。正直なところ、あの「失われた二十余年」の時でさえ思わなかった感情に、囚われるようになっている。理由は分からない。前の見えない暗闇でさえ燭光が見えていたのが、今やそれすら見えなくなったからなのだろうか。その大きな原因が、あのエトミデート疑獄にあることは間違いないと思う。
もちろん単にやめるだけなら簡単だ。見なけりゃいい。関心を持たなきゃいい。そんなのサルでも分かる。しかし、五十年弱体の中に染みついてきた一種の「推し活」を体の中から消すことは、そう簡単な所為ではない。もちろん腹の底から嫌悪感を感じているのであれば一足飛びに話は進むだろうが、どうもそこまでには至っていないようである。だから頭を悩ませているのだ。
一番簡単なのは、新たな「推し」の対象を見つけることである。二十有余年前なら簡単だった。もうひとつの推しである大阪近鉄バファローズがあった。さらに十数年遡れば南海ホークスというチームがあった。南海ホークスなんて私が見ていた頃にはどうしようもないチームだったが、なぜか嫌になった覚えがない。ただし、勝ってほしい、強くなってほしいと念じてはいたが。
それでは福岡ソフトバンクホークスではどうなんだといわれそうだが、なかなかそうはいかない。球団譲渡というのはあり得べきシナリオとして当時の私も持っていたのだが、やはり福岡移転というのが大きかった。当時の私はずっと関西にいる予定だったし、況してや広島に行くなどとは思いもしなかったのである。大げさな言い方だが、ホークスの福岡移転はいわば今生の別れのようなインパクトだったのである。だから、なかなか今更ファンを名乗る気持ちになれない。
それではオリックスバファローズではどうなんだといわれるかもしれない。しかし、もっとペケだ。これまた別に近鉄じゃなくても他の大阪の会社が買ったのであればよかった。しかし、自前の球団が組織から現場から総崩れして球団の体をなしていなかったオリックスが丸呑みしたのが許せない。金さえあれば何でも正当化できるという現代の悪の象徴のように見えていやなのだ。
さらにいうなら、この吸収合併劇は宮内義彦が球界のイニシアティヴを取るべ渡邊恒雄と連んで仕組んだ猿芝居の結果だった。今でも残念ながら少なからぬ野球ファンが持っているようだが、1リーグ10球団制という誤ったシナリオを粛々と実行しようとしていたのである。これを阻止したのは実は当時首相だった小泉純一郎だったというのが私の見立てである。事実、宮内は竹中平蔵と連んで政界工作までやっていたのだから。
話がえらく逸れたが、以上の経緯から、オリックスバファローズはどうにも好きになれない。これがオリックスの看板が外れて大阪バファローズとでもしてくれれば喜んでファンの末席に名を連ねたいと思うが、現状なら私には出来ない。実際、何度も妥協してファンクラブにも入ったことがあるのだが、長続きしなかった。一番持ったのは森脇浩司監督の時だったが、やはり球団が彼を斬ったのと同じくしてファンをやめた。ノムカンくんのときも、三連覇の時も駄目だった。
それでは東北楽天ゴールデンイーグルスはどうか。もっと駄目だ。東北のイーグルスファンの方には申し訳ないが、球団の出自からして渡邊恒雄旧体制の残滓である。この球団に改革性とか革新性を見てはいけない。ここはカープがハジメ神権帝国であるのと同様に三木谷浩史唯一神の不健全体制である。現場と見せられるファンはかわいそうだと思うが、喜んで推しにはいけない。むしろ唾棄すべき対象だ。
そう思うと、他の球団を推すとしても接点がない。敢えてもっとも接点があるところを挙げたら実はライオンズだ。もちろん、埼玉のライオンズではなく、かつて福岡のライオンズに妙な贔屓心を持っていたからである。それに、西鉄ライオンズと言えば南海ホークスの、西武ライオンズは近鉄バファローズのライバルだった。そういう意味での縁は、なくはない。もっとも、ならカープの好敵手であったジャイアンツやタイガースを素直に推せるかと言えばそうではないので、やっぱり難しい。
などとつらつら思うと、もはや「箱推し」は難しいのかもしれない。ならば「単推し」をするしかないのかな。今他球団でその動向を見ているのは、やはりライオンズに入った渡部聖弥くんかな。高校こそ広陵高校だが広島県府中市の生まれ育ち。亡母の実家とは芦田川を挟んで反対側だが、どうしても勝手な親近感を持っている。ちなみに亡母一族は府中市立第二中学校卒業だが、これは府中が生んだカープのヒーロー、片岡光宏翁と同じである。
そうなるとあとは赤穂市からプロに入る選手が出てきてくれればよいのだが、これまた難しい。赤穂市の生んだスポーツ界のヒーローは今のところJRAの友道康夫調教師くらいである。私の弟の同級生が野球を続けてプロの目にとまったことはあったようだが(相生高校からドラフト指名された信原拓人を視察に行ったときにピックアップされたとか)、今のところいない。ちなみに東洋大学附属姫路高校のエースとして全国制覇をした松本正志翁は兵庫県赤穂郡上郡町の出身で、今のところ一番近いのだが。
まあ、そんなこと考えている前に、カープという球団が現状有姿で残る可能性が低くなっているような気もする、そうなったら、ハジメ神権帝国の崩壊を見届け、新たなるカープの建設を見守るのもありかなと思う。あるいは、エトミデート疑獄で現場がボロボロになったのを立て直す姿を声援しても良いかな。もし今回の疑獄を全て自ら詳らかにして、その過程で弱くなるのならば、私は受け入れる。
もしそうならないのなら、赤堀元之が監督やっているハヤテベンチャーズを応援するかな。カープの育成選手だった森下宗もコーチとして在籍しているしね。運営会社もガタガタでどうしようもないし、それこそ来年あるかどうかすら分からないが。それとも、羽月隆太郎の更生を見守ってみるというのもありかもしれないね。拾ってくれるチームがそもそもあるかどうかすら分からないが。
人気ブログランキング

コメント