床田と戸郷、内容はほぼ同じだったし、途中は戸郷のほうが上回っているところがあった。しかし戸郷は、初回に連打を契機に失点、7回に床田のヒットで繋がれて失点と、勝てない投手のあるあるオンパレードだった。一方の床田は、キャベッジのホームランが余計だったがあれもツーアウトノーランナーから。要所は完璧に締めた。スコア以上に、カープが勝って当然の内容だったのである。
なんでこうなったかというと、結局開幕からの戸郷のボタンのかけ違えがすべてなのである。確かに再復帰後はそれなりに投げていたのかも知らないが、一度崩れたバイオリズムというのは、取り戻すのは難しいのだろう。それは試合後映像に抜かれた戸郷の表情が物語っていた。
で、今朝の話に戻る。森下暢仁である。今シーズンは、少なくとも初夏頃からは、完全にバイオリズムを乱していた。手を打つなら、そこからでなければならなかったと思う。しかし、ローテーションも変えず、相手関係も変えなかった。戦略としては下の下だが、ここまでこだわると、一種のハラスメントじゃないかとさえ思う。
ある意味坂倉に対してもそうだ。なんか苦難に耐えて自ら脱却しろと言いたいばかりの起用法だが、昨日の坂倉のバッティングをみると、素人目に見てもメンタルがやられているのがわかる。こうなったら親心のつもりが実はハラスメントになっているのではないかと思う。実際、家族とハラスメントは親和性があるのだ。
思えば新井という人は、ほとんどパワハラというべきしごかれ方をして育った人だ。私が今の職場環境を見ていて分かるのだが、ハラスメントは継承される。ハラスメントを見て育った人が同じようにハラスメントをやるのだ。新井も実はその例に如かずではないか。森下や坂倉に対する当たりを見ると、そう思うのだ。
もちろん、それに耐えている選手もいる。床田も森下と同じような起用をされ続けてきたが、彼はトミージョン手術の苦難があったから耐えられるのだろう。奨成もずいぶんな扱いを受けてきたが、最近発覚した母校の状態を見たら、単にもともと耐性が強いだけではないか。要するに、このままでは有為の選手は全部カープを去るだろう。
そんなことを考えたら、今日の試合がどうとか明日がどうとかいうことは、思えなくなった。明日は初物の森田駿哉が打てたらそれなりに誠実な試合になるだろうというだけである。大瀬良がもっと崩れたりして。






コメント
戸郷に関しては、バイオリズムが狂ったというより、前に触れたように①アーム投げ(肘を曲げずに腕を伸ばしたまま投げる投法)の特徴として球の出所が分かりやすいこと②先発とすれば球種の少なさ(ほぼ、ストレート・フォーク・スライダーの3種)③高卒の若手にすれば球速を含め伸び代がなかった。以上の理由で、各球団が慣れてきて打ち込まれるケースが増えたのでは?特にカープは、昨年までの戸郷の好調時でも苦手としていなかった。
森下は、確かにバイオリズムが狂った面はあると思うけれど、これも以前に述べたように、入団当時から完成度が高く、伸び代がないだろうと予想した通り、ルーキーイヤーがキャリアハイになってる(栗林も同様)。
投手は速い球速が全てではないものの、戸郷も森下もストレート平均球速が146㎞台。そしてNPB投手の平均ストレート球速146.6㎞なので、ストレートだけを取り上げると両者とも平均的なピッチャー。今シーズンは、高橋宏斗もバイオリズムがイマイチで勝ち星が伸びていないけれど、バイオリズムの狂いを速いストレートでカバー出来ているから大崩れしていない。
そりゃ、プロの投手だってマシーンやないから、精神的に追い込まれ投球に影響する一面はあると思う。しかし、バイオリズムの不調や精神的なマイナス面を圧倒的なスピード或いは技術で補うのが「プロ」なんじゃない?
たとえば、1ステージ1億のギャラを貰ってる歌手が、バイオリズムが狂ってるから、音を外してしまった、では許されない。音を外さないのは、プロとしての最低限の仕事だから。
ハラスメントやイジメは、一部の組織を除き「人類の文化」だと感じている。イジメがほぼゼロの組織は、いい意味で「人に感心がない」トップレベルの中高くらい。成績が良くて当たり前の集団なので、勉強ができる程度で偉そうにしたり馬鹿にできる環境じゃない。学業成績よりも、突き抜けた一芸を保有しているほうが尊敬される。また、その一芸が学業外のことでも相互に興味を持って面白がる余裕がいい。
さて、田中将大の登板だが、終わってる選手に「花を持たせる」文化が根付いており、日本球界の悪いところでしょ。そういう忖度をしている限り、いつまで経ってもNPBのレベルは上がらんよ。