勝てばすべてが好ましく見える。

土日と午後は爆睡を決め込んでいたため、CSファーストステージはまったく見ていなかった、今日は途中から、パシフィックのCS、ファイターズ対マリーンズを見ることにしたが、やはり真剣に野球をやって勝ち上がってきたチーム同士のがちんこ勝負は違う。結局、勝負を分けたのはほんの僅かな差だ。吉井が種市と心中してしまった形になったのだが。もっと早く見切りを付けていたらどうだったか。

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それはさておき、ファイターズは素晴らしい野球をした。というより、昨日も9回裏に万波が同点ホームランを打って追いついたのがすべての始まりだ。なんかわざとそういうドラマティックな展開に持ち込んだのではないかと言いたいくらいである。今日は今日で、バント失敗併殺打でいったん潰えたチャンスが田宮の四球で首の皮一枚繋がってからの水野の決勝三塁打である。本当にお見事といわざるを得ない。

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それにしても、新庄の人遣いが素晴らしかったということに尽きるだろう。いや、素晴らしく見えたのかもしれない。新庄イズムは何かと批判にさらされてきたが゛、今年は一定の成果を上げた。そしてCSファイナルに駒を進めた。そして、ペナントレース終盤にはホークスに7連勝したりしているから、案外下剋上などという期待もできるだろう。私は根がパシフィック党なものでセントラルのCSにはまったく興味がないから、じっくり明後日からのシリーズは見てみたい。

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結局のところ、勝てば官軍というのはよく言ったもので、勝てばすべてが好ましく見えるのである。新庄の采配然り、新庄が変えたファイターズのユニフォーム然り（あれは絶対旧ユニの方がいいデザインだと思うのだが）。新庄采配というのはまともなプロ野球ファンの研究の対象になるに違いない。もちろん、種も仕掛けもあるわけでもないと思うが。ひとことで言うならば、これぞ育成ということだ。

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で、逆もまた真なりである。負けたチームはすべてが好ましく見えないのだ。特にカープなど歴史的大惨敗を喫したのだから、論点を論点としてきちんと整理しないときっと来年はもっと手ひどい惨敗になることは目に見えている。これがカープらしさなんだ、これでいいんだということは、もはや通用しないのである。それを真摯に受け止めないと、改革とか変革とかいうことはあり得ない。

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新井と新庄を比較したら、はっきり言って新井なんて甘っちょろい。新庄の方が何倍も厳しい。彼は野球に対しては真摯だ。ただ、そのベクトルが一風変わっているというだけである。過去2年で見えた指導者としての新井の問題点は、論点先送り主義と自分と一緒にやってきた仲間の優遇である。つまり、普通にいえば指導者失格といっていいくらいなのだ。

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昨年は、鞭を入れるべきところで「勝負はまだ先だ」とかなんとか曰ってタイガースにやられた。今年は、言ってしまえば昨年のオフからオフェンスの弱さが課題だったにもかかわらず、ピッチャーが頑張っていたのをいいことにオフェンスの強化をサボった。私に言わせたら、昨年はともかく今年の新井は少なくとも進退伺いを出すべきといっていいくらいである。

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まあ、ひとつだけ新井に情状酌量の余地があるとするならば、彼もまた「投手を中心に守り勝つ野球」なる誤ったテーゼから自由でなかったことだ。特に球団内部からバカープファンを含めてこういう世迷い言を言い続けてきたわけだが、幸いにそれが完全な誤りであることが今年証明された。それを踏まえて新井がどういう手を打つかだろう。いや、やることは決まっている。ドラフトや移籍市場でのオフェンスの強化である。さらに、自分の仲間だった「三連覇の功労者」たちの首に鈴を付けることだ。

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昨日書いたとおり、ここまでカープは沈黙を貫いている。案外何か出すとしたら明日の朝かなと思っている。新聞休刊日の朝にこそっと観測気球を打ち上げてということをよくやるからね。まあ、できるかな、新井くん、そして鈴木くん。ハジメを説得することが出来るかな。

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