観戦日誌；感動と苦笑と。

エディオンピースウイング広島が完成して以来、いつか行こうと思い、家人にも水を向けていた。しかし、チケット争奪戦に負けたり、家人の休日と合わなかったりでなかなか叶わなかったが、今日ようやく叶った。もちろん、その前に必死にチケットを取りに行ったことは言うまでもない。

スタジアムについてはすでに多くの人が語っている通りで、あえて付け加えるまでもない。ただ、私小説風に語ることを許していただければ、あの侘しい広島ビッグアーチの時代、下手したら収容人員の１割もお客さんが入らない時代を知るものからすれば、見るものすべてが感動ものなのである。グラウンドに近く、かつ屋根のある客席、充実したスタグル、そして満員のお客さんの盛り上がり。全てが感涙を誘うのだ。

このような光景が、広島の山奥などの辺鄙な場所ではなく、正真正銘広島の街なかにあることを、我々は誇らなければならない。逆に言えば、それを忌避しようとしていた者が広島の中枢にいたということを、我々は恥じなければならない。言うまでもなくカズミ、ユザキ、ハジメの悪のトライアングルだ。これを打破てきていないことがもどかしいのである。

この新スタジアムは、家人には好評だった。なんと言ってもスタジアムの盛り上げの仕掛けがライヴみたいで良いと言っていた。確かに、あくまでもサッカーを見せるという観点で、また来たくなる仕掛けが施されていたような気がする。なんせそんなことエディオンスタジアムの時代ではやりたくてもできなかったから、今は思いっきり腕をふるっているのだろう。

ところで、肝心の試合だが、まあ勝ってよかったねというくらいだろうか。大雨でヒッチが濡れていたことからロングボールやヘディングで繋ぐサッカーを志向したのかもしれないが、とにかくアビスパは後ろで構えて網にかけてからカウンターという戦法をとってきたから、見ていてストレスが溜まることこの上なかった。

加えて、相も変わらぬラフサッカーである。そもそも小田逸稀をスターターで使った事自体に喧嘩を売ってきたと言わざるを得ないのだが、相手が怪我をすることを是とするようなプレイを見せられると、本当にストレスだ。しかも明らかなファウルをレフェリーが見逃したりするから、なおのことである。

と、いうわけで、肝心のサッカーはいまいちだった。でも大橋のゴールで救われた。ゴールが決まったときの2万8000人の一体感、しかもサッカースタジアムでのそれは、鳥肌が立った。1点が重いサッカーだからこそ、「守り勝つ」という言葉が当てはまるんじゃないのか。いけない。話が余計な方向にそれるところだった。

もう一つの今日の残念だったことは、越道草太の出番かなかったことだ。まあ、今日のピッチ状態ではドリブルで持ち上がってクロスというサッカーは取りづらかったのかもしれないし、そもそもピエロスと満田が早い時間で痛んで交代しなければならないという面はあったのだろう。まあ、次見に行くときに期待したい。