私は決して善意のファンではないので、日本一になったチームにおめでとうなどという義理はない。だから、素直に感想を言わせていただくと、本当に、7戦通じて実に退屈なシリーズだった。なんのことはない、7試合通じて結局パンチ一発でKO負けの連続だったのである。要するに攻防がなかったというか。だから、どうひいき目に見ても面白くない。もちろん、結果を穢すものではない。あの「江夏の21球」で語り継がれる1979年のシリーズは、通してみたら実につまらないものである。一方で1984年のシリーズなどは成熟した大人のチームのがっぷり四つのような趣があったのだが。
その中でシリーズの行方を左右したのは、やはり打力である。バファローズにとって痛かったのは、頓宮と杉本が故障上がりで万全でなかったことだろう。結局、森友哉一人にマークが集中してしまったきらいがある。実際、このシリーズ通じての森のパフォーマンスは攻守とも悪かったし、それが敗因となってしまっただろう。昨日の試合での、本職でないライトでのファインプレイはさすがといいたいが、あのサヨナラ負けの引き金を引いたバッテリーエラーなど見るとね。
一方のタイガースだが、普通だった。いや、これが精一杯の褒め言葉である。もともと下位チームのご奉仕によってノーストレスで勝ってきたチームだけに、がっぷり四つになると辛いのではないかと思っていたし、事実そうなりかけたのだが、中嶋の自爆とノイジーのラッキーパンチで流れを変えられた。でも、これで黄金時代になりますと言われても、違うでしょうといいたくなる。
少なくとも、カープが来シーズン栄冠を握りたければ、この両チームを倒さなければならないのである。しかし、その処方箋は全部このシリーズが教えてくれている。要するに、打力だ。バファローズは明らかにオフェンスが弱いし、タイガースもそんなにオフェンスが強いかと言われたら違う。結局このシリーズの命運を分けたのは、相対的な打力差だったといわざるを得ない。そしてその差はさほどなかったからこそ、7戦までもつれたといっていい。
それに、投手力というのはある意味ガラスの刃だ。2年連続してハイパフォーマンスを見せることは案外難しい。バファローズがうまくいっているのは育成から何からそれに特化した運用をしているからであって、いわば一芸名人のようなものといっていい。真似をしちゃいけないし、真似しても二番煎じで終わる。オフェンスの強化の方が絶対楽だし、即効性があるし、一度築き上げたら長持ちするのだ。ならば、カープの進むべき道は明らかだ。
だから、徹底的にオフェンスの強化、特に火力の強化に励まなければならない。しかし、今のカープ、ことに若手には、火力の強化の素材が少ない。末包、健人、林、奨成、貴浩、田村、久保、そしてルーキーの仲田、ちょっと甘めに見て韮澤で終わりだ。これでは心許ない。だから、少々プライヴェイトでやらかしたかもしれない奨成を一生懸命叩くバカープファンは死んだ方がいいくらいのバカなのである。
こうなったら、国内移籍市場か外国人移籍市場しかない。でも、国内移籍市場には打って出ないだろうな。きっと外国人のひとりくらいでおしまいである。それすら、ドミニカからの研修生でお茶を濁されるかもしれない。なぜかって?移籍市場の玉にしなければいけない選手とか、オフェンス強化に貢献しない選手は、すべてハジメの推しだからである。
もっといえば、松田元という男、ものを知らないバカではない。むしろよく知っている。だからこそ、どうやればチームを弱体化できるかということもよく分かっているのである。それはまさにオフェンスの弱体化である。事実、三連覇のあとにハジメがやったことを見たら分かるではないか。そしてそれを糊塗するためのフレーズが「投手を中心に守り勝つ野球」なのである。多くのバカープファンがそれに騙されているのも、なんだかなあである。
今日のタイガースの日本一達成で、カープはだんとつで最後の日本一になってから間が開いたチームとなった。しかも御代でいえば昭和59年以来だから、2元号に渡り遠ざかっているとも言えるのだ(その次がベイスターズの1998年=平成10年。この2球団のみ21世紀の日本一がない)。これは恥ずべきことである。しかし、これをそう思わない向きが多いことを、黄金時代を味わわせてもらったファンの一人として悲しく思う。
しかも、この間隔は、そのままハジメの治世に被るのである。そりゃそうだ。ハジメは意図的にやってるのだから。そしてそのことを知らない向きが多いことも合わせて悲しく思う。まあそうだ。その多くはハジメ信者だからな。
本当にあの男だけは、せめて球界から抹殺しない限り、明日はない。いったいどうやったら、彼奴を消すことが出来るだろうか。






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