The Beatlesの残した著名な曲のひとつに、”All You Need Is Love”がある。英語劣等生だった私は、この曲を聴くたびに鼻の奥がツンとするものを感ずる。いうまでもなく、この文を正確に構文解析し、訳すのはなかなか難しい。
などというと、賢明なる弊ブログの読者の皆様からはどこが難しいんやというお叱りの声が聞こえそうである。いうまでもなく、この文章の動詞はisで単純なSVC型にすぎず、ただAllのあとは関係代名詞thatの省略があるというだけだ。
しかし、前者はともかく後者に思いをいたすことは案外難しい。事実、関係代名詞の省略については、日本の文法書は、山崎貞「新自修英文典」や赤尾好夫「英語の綜合的研究」以来厳かに書いてあるところだが、ネイティヴの手によるもの、例えばトムソン=マーティネット「実例英文法」には記載なく、マイケル・スワン「オックスフォード実例現代英語用法辞典」では「省くことが多い」と書いているのみだ。要するに英語のお約束みたいなものなんだろうが、外国語学習者にとっては辛いところである。
これは現在NHKのラジオ英会話の講師をされている大西泰斗師の受け売りだが、英語というのは厳密な配置の言語なのである。すなわち、語順のひとつひとつに意味があるのだ。というと難しそうだが、要するに主語の位置にあれば主語、動詞の位置にあれば動詞といった具合に配置で役割が決まるということだ。ちなみに、”google”だって動詞の位置に置けば「WEB検索する」という意味になるようだ。日本語化した「ググる」と似ている。
この段で行くと、件の文は動詞は明らかに”is”であることは自明だから、”All you need”が主語ということになる。もうひとつ、これも大西師の受け売りだが「説明は後ろから」というルールが英語にはある。そうするとこの部分は”All”を”you need”が説明するという関係にあるので、ああ関係節ね、ならthatの省略か、という結論に達しうるのである。英語は語順言語であるということは駿台予備校の頃から聞いていた気がするのだが、腑に落ちるのに30年かかっていては世話がない。
でも、小難しい構文解析をしなくても意味をとる方法はある。英語というのは日本語と違ってダイアローグが前提の言語である。要するに、何か自分の見解をちまちまと書いているようでも、実は不特定多数の誰かに対して語りかけているものと考えればよいのだ。ここで、英語の語順言語性を加えると、こう意味を取ることが出来る。
すべてなんだよ。(え?)僕たちに必要なものはさ。(なにが?)愛だよ。
もっとも、これが正しいアプローチであるかどうかは、私も分からない。
などとうだうだと書いてきたが、今日は取り立てて落ちはない。敢えて言えば、ああもっと昔から真剣に英語をやっていたら自分の人生変わっていたかもな、ということである。もっとも、仮にそれで当時の第一志望の大学に合格していたとしても、それが自分にとって幸せだったかどうかは分からない。案外並外れて頭のいいのに接して自分の能力の限界を知り、人格崩壊していたかもしれない。その意味では参拝したにも拘わらず言うことを聞いてくれなかった北野の天神さんには感謝しなければなるまい(しかも凶のお神籤までいただいたし)。
と、いうわけで、標題である。これは、全カープファン共通の思いであるはず、だよね。え?「カープらしい野球を見せてくれたらいい」?それはいけません。






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