この週末は、春からの娘の一人暮らしに伴うもろもろの所用を済ませるために阪神地区を駆けずり回り、姫路市のホテルに宿泊、そしてほぼ一年ぶりに一時帰省をした。本当は昨年末に帰省をする予定だったのだが、ちょうどその頃に妻の職場で新型コロナウィルスの感染者が発生したため、念のため控えていたのである。
それにしても、まず痛感したのは父の弱り具合である。頭のほうは趣味の競馬のおかげで(なんせそのためにパソコンを覚えているくらいだ)万全なのだが、いかんせん体がついて行っていないようだ。もっとも懸念している循環器系のほうは幸いにして大丈夫のようなのだが、足腰が相当辛いらしい。歩くのにも難渋している様子である。それをみると、やはり心は寂しくなる。母を亡くしていらいずっとひとり暮らしなのだが、些か心配になった。
ところで、それなりにもういわゆる「終活」を考えているようで、すでに将来は実家は更地にして売ってしまえと言っている。もちろん私も広島が本拠地になってしまったし、弟も実家を離れて家庭を持っているからやむを得ないのだが、ひとつ問題になっているのは母の形見であるグランドピアノだ。どうも引き取り手がなくて困っているようである。
もちろんピアノ買い取り業者に頼めば解決するのだろうが、そんなところに売ったらどこへ売り飛ばされるか分からないのでそのつもりはないようなのだし、私も同感なのだが、グランドピアノというもの、どうしても広い場所を取ってしまうので最近の住宅事情では置き場所に困るようなのである。かといって学校とか公共の施設ではたいがいグランドピアノはあるらしく、もう一台という需要がないようだ。
ならばうちで引き取れればいいのだが、問題は既にアップライトピアノがあることだ。さすがにピアノ二台というのは手に余る。それに、このピアノも元は妻のものだったのであって、むげに扱うわけにもいかない。結局あちらを立てればこちらが立たずで、なんとも悩ましいのである。仮にもとの所有者である妻の実家に返すとしても、送料がばかにならないし、グランドピアノの引き取り送料はもっとばかにならない。
一番いいのは、広島をほっぽり出して赤穂に住んでしまうことかもしれない。正直言って広島という街に未練はない。父の意思に反することになるが、それもまあやむを得ないかなと思う次第なのである。なかなか解決しなければならない問題も多いのだが。
そう思うと、悩みは深いのである。たかがピアノだが、私自身も思い入れがあるだけにぞんざいには扱いたくはない。娘がピアノを弾ければ最悪結婚の際に持たせればと思ったりもするが、実際そうではない。さて、どうしたものか。






コメントを残す