喉をかきむしるほど食べたいわけではないけれど、折に触れて食べたくなるものが、いくつかある。その中のひとつが、寿司だ。もちろん別段珍しいものでも何でもないし、スーパーの惣菜でも十分に食べられるのだが、そこはやっぱり以前も書いたが思い出と結びついた付加価値がほしいところだ。
広島は瀬戸内の海の幸に恵まれているので、当然寿司ネタには事欠かないし、うまい寿司屋もたくさんあるようのだが、なぜかあまり縁がない。ただ、「すし辰」にはよく行った。ここは回転寿司であるのだが非常にネタもよく、もちろん味もよい。お値段も少しばかり高いのだが、それだけの価値はあるし、緑井にある本店?は毎日満員御礼である。ただ家人があまり寿司が好きではないので足が遠のいているのだが。
ところで、寿司は江戸前に限る、という気はないし、小鯛雀寿司とか穴子の箱寿司といった大阪寿司も大好きなのだが、東京在住時にはわりとよく寿司を食べた記憶がある。てゆーか、東京の記憶には本当に悪いものが多いからほとんどデリートされていて、ただ寿司を食べた記憶だけが残っているのかもしれない。
名店で挙げるならば、経堂にある「寿矢」である。東京の真ん中でまともに寿司を頼むと福澤さんが何人飛んでいくか分からないが、ここでは酒を少し飲んでつまみをもらって、寿司をお好みで頼んでもさほどかからない。とはいっても福澤さん2枚程度はかかるからお安くはないのだが、何か理由を付けては行っていた。今でも行ってみたいと思う。
そこまで懐が豊かでないときには、赤羽駅にある(あった?)寿司屋に行った。ここは回らない寿司屋なのだが、お値段も安くてうまかった。しかるべき時間には行列ができていたくらいである。しかし店の名前が思い出せない。てゆーか今あるのかないのかすら分からない。そこが残念だ。
しかし、もうひとつ思い出の店がある。小田急の東北沢駅の踏切の近くに、バラック立てのような小体な寿司屋があった。それこそ名前も思い出せないし今あるのかどうかも分からない。しかし、下手な回転寿司に行くよりよほどうまかった。あれこそ寿司の原風景なんだろうなという気がする。こういう店自体、もう東京中探し回ってもないんだろうな。
そう思うと、ますます食べたくなってきた。今度ひとり飲みの時に寿司屋を探して行ってみようかな、まあへたを打つとそれこそ普段の予算の何倍にもなってしまうが。






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