そろそろドラフトについてでも書くかと思っていた矢先、カープがドラフト1巡目指名について苫小牧中央高校・斉藤優汰投手とする旨発表した。189cm91kgの大型本格派右腕であって、どちらかと言えば先物買いを狙うということだろう。
この選択は、それだけ見たら悪くはないと思う。ホークスが先日取り上げたイヒネ・イツア内野手の1巡目指名を明言するなど、このドラフト1巡目指名のトレンドは素質型という方向に流れているところだ。だから、それに乗っかって下位指名でしかるべく立ち回るというのは、決して間違いではない。実際、上位指名に叶う「即戦力」選手がどれだけいるかとなると、些か微妙ではあるところだ。
ただ、個人的には些か不満だ。結局のところピッチャーなら何人いてもいいでしょという後ろ向きな発想が見えるからである。ドラフト1巡目、しかも監督更迭というタイミングでの指名は、まさにカープは今後こういう野球をやるんだというアピールでもあるのだ。それが結局素材型投手では、やっぱり変わる気ないなとみられても仕方ないのである。斉藤投手の善し悪しではない。今カープに真に必要なピースか否か、そしてその優先順位いかんの問題なのである。
何度も言うようだが、今のカープに必要なのは大型野手、特に外国人で賄いづらいポジションである。申し訳ないが上本がレギュラーに収まっているようでは弱い。守備走塁要員でしか役に立たないようなのを駆逐するようなインパクトのある選手がほしい。もちろん即戦力では難しいが、素材型まで手を広げればほかにいるだろうという気がしてならない。言い方は悪いが、今回の指名公表は逃げの一手とも取れるのである。
ただし、この時期で公表したということは、上記の意味で取りたい選手の目処が立っているからとも考えられる。あるいは、下位指名でもOKという感触を得ているからかもしれない。そうだとしたら、分からない話ではない。まあ、本当にそうかは、来週になれば分かるのであるが。
いずれにせよ、今年のドラフトは候補選手名鑑を見てもあまりピンときていないのが正直なところだ。こういう年こそ、カープのお家芸である「眼力」が試されるのだ。






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