セントラル・リーグのクライマックスシリーズが幕を閉じ、プロ野球は直ちに第二次戦力外通告期間とドラフト会議という「編成の季節」へと突入する。主力の流出危機が目前に迫る中、未だに「足と守備」の小粒な戦力を抱え込み、打力不足の現状を放置し続けるカープの編成は、混迷を極めている。
小園海斗の起用を巡る過去の迷走に象徴されるように、現場と編成を歪ませ続けてきたのは他ならぬ松田元オーナーの影だ。1974年オフにジョー・ルーツが断行した大規模な血の入れ替えを引き合いに出しながら、今まさにカープに必要な「聖域なき構造改革」と、松田体制による編成支配の完全解体を冷徹に提言する。
【CS終幕の傍観】第二次戦力外通告と「残り滓」の現実
思いがけない形でセントラル・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージが幕を閉じた。ベイスターズが勝ち抜けるとすればこの展開しかないという形に、タイガースが見事に填め込まれた格好である。勝負の綾とは恐ろしいもので、噛み合わない時のもろさをまざまざと見せつけられた結果であった。三森大貴の決勝打によって甲子園の「あと一球コール」が打ち破られた光景に溜飲を下げる向きもあるようだが、他者の敗北を嘲笑うような態度は決して品格あるものとは言えない。両者の応酬は、いわば目くそ鼻くその類いに過ぎない。
いずれにせよ、ポストシーズンの終了は直ちに「第二次戦力外通告期間」の到来を意味する。10月22日に控えるドラフト会議の指名戦略を見据え、球団フロントは当然のごとく人員の整理と候補の絞り込みを終えていなければならない。ドラフトの土壇場で右往左往するような失態は論外である。
ネット上のカープファンの間では誰が戦力外となるかの予想が喧しいが、多くは的を射ていない。今年の見極めは極めて明白である。残すべきは今季のルーキーのみであり、それ以外の選手について聖域を設ける必要はどこにもない。今後のドラフトと移籍市場の動向を鑑み、来期の戦力にも移籍市場の駒にもなり得ないと判断される者は、容赦なく整理すべきである。
身も蓋もない言い方をすれば、現在のカープに「何が何でも死守すべき選手」などほぼ存在しない。それに値する価値を持つ者はすでにFA権の行使局面にある。あとは小園海斗だけだった。それ以外の選手といえば、なぜ未だに抱えられているのか理解に苦しむ者ばかりだ。小園、坂倉将吾、床田寛樹、森下暢仁といった核心的打者・投手が流出すれば、あとに残るのは文字通りの「滓」に過ぎない。卯の花ならぬ残り滓でメインディッシュが作れないのは道理である。
【小粒のダブつき】「打力こそ全て」の時代に逆行する編成
悲惨を極めるのは野手陣の惨状である。死守すべき若手の勝田成、平川蓮、西川篤夢を除けば、百歩譲って菊池涼介、秋山翔吾、中村奨成を残す程度で足りる。その他の選手に積極的な残留の必然性は乏しい。大盛穂や名原典彦といった選手を有能な戦力と錯覚するのはファン特有の贔屓目に過ぎず、客観的に見れば他球団とのトレード要員にすらなり得ないのが冷酷な現実である。
辰見鴻之介にしても同様だ。地元メディアや一部のファンは足のスペシャリストとして持て囃すが、単に脚力という単一の武器で一定の数字を残したに過ぎない。致命的な走塁死を繰り返す姿は、かつて高い成功率を誇った今井譲二や藤瀬史郎の領域には遥かに及ばない。今のカープには、「足と守備には自信があり、打撃は僅か」という小粒な選手が著しくダブついている。1点を争う短期決戦において安定した得点力を稼ぎ出せないこのような選手層では、現代野球を勝ち抜くことなど不可能だ。プロの勝負において、打力と得点力こそがすべての真実である。
【負の遺産の解体】ジョー・ルーツ流の大規模外科手術を
思い返せば、小園海斗は高卒1年目の春季キャンプから完璧に体を仕上げ、オープン戦でも山崎康晃や石山泰稚といった各球団の主力投手から快打を連発していた。しかし球団当局は、ベテランの田中広輔を優先するあまり小園の起用を躊躇し、育成の決定的なボタンを掛け違えた。こうした現場の差配に暗影を落とすのは、常に松田元オーナーの影である。ここでもまた、一族の介入が負の遺産として立ちはだかっている。
現在カープに真に必要なのは、躊躇なき「聖域なき構造改革」である。安仁屋宗八対若生智男、あるいは渋谷通・上垣内誠対大下剛史のトレードを断行した1974年オフのジョー・ルーツ招聘時のごとく、大規模な外科手術を断行しなければならない。
その前提として、球団編成における松田元の実権を完全に剥奪し、現場および編成権への一切の口出しを封じる必要がある。このガバナンス改革が実行できないのであれば、松田体制そのものを強制的に排除しない限り、この球団が再び立ち上がる道は永久に閉ざされたままである。
「残り滓」のような小粒な戦力をいくら寄せ集めたところで、1点を争う現代野球の厳しい局面を勝ち抜くことなど不可能である。過去の栄光や身内の情に甘え、必要な補強と大ナタを拒み続けてきたツケは、すでにチームの骨組みを腐敗させつくしている。
カープが再び勝者として立ち上がるために必要なのは、聖域を一切設けない徹底的なチームの再構築と、編成権を握り続ける松田元の完全な排除である。ことに松田元を断頭台に送る決断を下せない限り、球団の未来は暗黒の停滞の中へと沈み続けるほかはない。
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