『闘志なき者は去れ』——私物化された「喜び組」と、崩壊へ向かう無気力な神権帝国

スポーツ

夜の静寂が広がるスタジアムに残されたのは、勝利の歓喜ではなく、深々とした徒労感と諦念だった。1回裏の好機で沈黙した看板打者たち、泥臭さを失い言い訳を抱えて打席に立つ野手陣。「闘志なき者は去れ」という昔日の遺訓は遥か彼方に霞み、組織は私物化された「喜び組」へと成り果てている。冷めきった視線の先で静かに崩壊していくチームの惨状を、呆れと深い諦めとともに見つめ直す。

1回裏の沈黙と、壊れたオフェンス

こんな試合すら勝ちきれないチームに、クライマックスシリーズ進出を語る資格などない。クズだ、ゴミクズだと言い捨てられても言葉がない。あまりに腐りきっている。こんな惨状を見せつけられておいて、いまだに木戸銭を払って最後まで黙って眺めている客がいること自体、私には理解しがたい謎である。本来なら詐欺と糾弾されてもおかしくないレベルの野球だ。

今日の「アンチヒーロー」を挙げるなら、菊池涼介と坂倉将吾の二人で決まりだ。菊池が打点を挙げただの、坂倉がマルチ安打を記録しただの、そんなものは何の慰めにもならない。1回裏という千載一遇の好機で何もできなかった時点で、すでに無価値なのだ。あそこで一本出ていれば、試合展開は180度違っていたかもしれない。その重責を彼らはどう受け止めているのか。看板打者たちがこの程度のバッティングしかできないという事実こそが、いまのカープの崩壊ぶりを何より雄弁に物語っている。

その点、先発の森下暢仁を責めるのは酷というものだ。中盤こそ苦しんだものの、最低限のクオリティスタートでまとめたのだから仕事は果たしている。3点を先制されたことを咎める者などいないだろう。敗因のすべては、つまらないバッティングに終始したオフェンスの側にある。いや、正確には「オフェンス」などという機能はすでに死滅している。戦う態勢すら整っていない、ただの残骸に成り果てているのだ。

「必死さ」の欠如と、諦めという名の言い訳

攻撃陣の惨状を解剖していくと、行き着くのは圧倒的な「必死さの欠如」である。相手に食らい付いてでも塁に出てやろうという執念が微塵も感じられない。今日の試合で特に失望させられたのは、8回裏先頭で打席に立った勝田成だ。バントの構え一つ見せることすらしなかった。恥も外聞も捨てて食らいつかなければならない立場の選手が、ただ格好をつけてバットを振り回しているだけにしか見えない。彼が目指すべきは、大石大二郎や福本豊といった泥臭くもパワフルな野手のはずだ。このままでは、少し振り回せるだけの矢野雅哉の劣化コピイで終わってしまうだろう。

より深刻なのは、いまの野手陣全体に充満している「良いピッチャーだから打てなくても仕方ないよね」という甘えと軽薄さだ。好投手を打ち崩せず沈黙しました、で済ませるのなら、プロとしてお金を取る資格など最初からない。難敵に食らいつき、泥臭く1点を毠むからこそ感動が生まれ、ファンは魅了されるのではないか。

言ってみれば、今のカープの野手陣は戦う前から「打てないことのエクスキュース」をポケットに忍ばせて打席に立っているようなものだ。だからこそ、鉄火場の土壇場で結果が出ない。土壇場で「意地でも打ってやる」という気概が端から欠落している。感動もなければ、溜飲を下げる場面すらない。見るべきもののないスカスカの野球だからこそ、スタンドの客はパフォーマンスとしてのスクワットごっこでお茶を濁すしかないのだろうか。

「闘志なき者」の楽園と、崩壊へのカウントダウン

その昔、カープの初代主将にして第2代監督を務めた白石勝巳翁は、寮の食堂の壁に大きく「闘志なき者は去れ」と貼り出し、選手たちの甘えを徹底して叩き直そうとしたという。その遺訓に照らし合わせるならば、いまのカープ野手陣は「全員、消えてなくなってもらわなければ困る」レベルだ。今日の試合のどこに「闘志」があったというのか。ましてや5番に座る野間峻祥など、悪い冗談としか言いようがない。「闘志」や「一生懸命」という概念から最も遠い場所にいる男ではないか。

結局のところ、いまのカープは「勝利を目指して戦う男たちの集団」などではないのだ。一言で表すなら、松田元の「喜び組」である。佐々木泰にしても、チャンスで打った姿など記憶になく、とてもレギュラーの面ができる顔ではない。彼が重用される理由は、単に松田元好みの「顔立ち」だからに過ぎないのではないか。彼奴の琴線に触れるのは、第一に「母子家庭」というストーリー、次いであの手の男前である。森下暢仁に対する処遇とチヤホヤぶりも、その分かりやすい構造の一端だろう。

逆に、多少癖があろうとも「ギラギラとした不屈の闘争心」を剥き出しにするタイプを、松田元は徹底して嫌悪する。前田健太、九里亜蓮、丸佳浩、そして鈴木誠也——彼らがその典型だ。だから妥当な年俸も出さず、信じがたいほどあっけなく手放してしまう。これ一つをとっても、松田元という存在がカープという組織にとっていかに有害であるかが痛いほど理解できるはずだ。本当に、一刻も早く表舞台から去ってくれることを願うばかりである。

明日の試合? 知ったことではない。先発の玉村昇悟はいつものように誠実に投げるのだろうが、打線に劇的な変化でもない限り、高橋奎二の前に沈黙することは目に見えている。結局のところ、今日と全く同じ徒労感を繰り返すだけだ。私には、その退屈な未来がハッキリと見えている。

明日もまた、同じような空虚な夜が繰り返されるのだろう。誠実に腕を振る投手と、何の感情も揺さぶられない不甲斐ない打線、そしてそれを淡々と眺める観客たち。熱狂が消え失せ、あとに残ったのはただの「消化試合」という名の怠惰な時間である。もはや怒る気力すら湧いてはこない。崩れゆく神国の終わりを、ただ静かに、冷ややかに見届けるだけだ。

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