忍び寄る秋と、くすんだ赤——「勝たせてもらった」白星の陰に沈むカープの虚無

スポーツ

忍び寄る秋の気配とは裏腹に、グラウンド上の「赤」はくすんだままだ。関東遠征での泥沼からようやく抜け出し、連敗と連続無得点記録こそ止めたものの、そこに歓喜や爽快感は一切ない。繰り広げられたのは、相手の拙攻に助けられただけの「勝たせてもらった」無様なゲーム。冷え切ったチームの現状、森翔平の乱調、そして不可解な小園海斗抹消の暗雲——。白星の裏に横たわる深刻な不全と、沈黙を決め込むメディアへの違和感を冷徹に描く。

忍び寄る秋と、くすんだままの「赤」

ふと見上げた夕空は少しずつ暮れるのが早くなり、綺麗な茜雲が広がっていた。立秋から2週間が過ぎ、日中は相変わらず殺人的な酷暑が続いているものの、季節は確実に秋へと足音を忍ばせている。高校野球夏の選手権が終わるとともに姿を現すアキアカネもまた、確かな季節の移ろいを告げていた。あと1か月もすれば秋分、夜の長さを噛みしめる季節がやってくる。

これほどまでに「赤」が似合う季節になってきたというのに、グラウンド上の「赤」は一向に冴えない。冴えないどころか、自ら進んでくすんだままでいることを選択しているかのようだ。関東遠征での6連敗、41イニングス連続無得点という悲惨極まりない恥ずべき記録を打ち立てたにもかかわらず、その根本原因に踏み込む記事には一向にお目にかかれない。球団当局と在広プレスによる「不都合な現実の隠蔽」であり、悪質な共犯性の証左と言わざるを得ないだろう。今日の予告先発が森翔平と知った時点で、何の期待も抱かずに試合を迎えた。

「勝たせてもらった」白星と、深まる在広プレスの終わり

結果として、チームには白星がついた。関東地区での連続イニングス無得点は「45」でストップし、タイムリーヒットが出ない屈辱の記録も「41」でようやく止まった。しかし、これらは歓喜の記録などではなく、いかに無様な野球を垂れ流し続けてきたかという「恥の象徴」に過ぎない。この惨状を冷徹に指摘し、的確に論点を突く言説が一切出てこないこと自体、広島メディアの完全な終わりの刻印と言える。

試合内容を冷ややかに振り返れば、単にジャイアンツに「勝たせてもらった」だけの一戦だった。カープ投手陣は計8安打5四球を与えながらも、相手の10残塁という「のし付きの拙攻」に助けられたに過ぎない。これで負けていたら当分まともに勝つことなど不可能なレベルだ。それどころか、味方が点を取った直後に律儀にソロホームランでお返しする始末で、呆れてものも言えない。

救いとなった髙太一と、見るに堪えない森翔平の乱調

その中で、今日の唯一の殊勲甲を挙げるならば髙太一だろう。8回に勝ち越した直後のマウンドに登り、これまでの最悪な流れを見事に断ち切った。記録上はホールドにとどまるが、勝利投手となった遠藤淳志やセーブを挙げた森浦大輔と同等、いやそれ以上の価値がある投球だった。攻撃陣は全く褒められたものではないが、堀田賢慎から勝ち越し点を奪った場面だけは評価できる。ただし、評価できるのはそこまでだ。途中から露骨に挙動不審となった小笠原慎之介を攻めきれなかった点は猛省を促したい。

一方で、先発の森翔平の内容はグダグダのグズグズで、観ているだけで血圧が上がる代物だった。結果こそ5回1失点だが、内容は皆無に等しい。指揮官も「これ以上森には騙されない」という冷淡な判断で早々に代えたのだと思いたいし、そう信じたい。その後、岡本駿が増田陸に同点被弾したのも、「今日の内容で森に勝ち星を与えるなど万死に値する」という野球の神様のメッセージではないか。書いているだけで腹が立ってくるのでこれ以上の言及は避ける。

不可解な小園海斗の抹消と、やがて訪れる「厳冬」

オフェンス陣に関しては、今日の試合どころか、この水道橋シリーズを通して論外の外であった。バットの芯で捉えた鋭い打球などほとんどお目にかかれず、これのどこがプロのエンターテインメントなのかと問いたい。まともな状態のピッチャーが相手なら、今日もしっかりシャットアウトされていただろう。

また、ショートで起用されている勝田成は、守備こそ安心して見ていられるものの、今の貧打のオフェンス陣の中ではあまりに打力不足でプロの見せ物とは言いがたい。西川篤夢にいたっては論外だ。結局のところ、あの意味不明な「小園海斗の登録抹消」という暴挙が重い影を落とし続けている。やってはならない不条理を断行すれば、必然として最低の結果が返ってくるのだ。球団はファンに対して正当な説明を果たす義務がある。

昨日のファーム対バファローズ戦で小園は満塁ホームランを含む2安打、今日も2安打を放っている。この事実ひとつ見ても、今回の登録抹消にまっとうな理由など一切存在しない。裏に何かドロドロとした事情が存在すると疑うのが自然だ。これについて書き連ねれば際限がないため今日は伏せるが、遠からず真相は白日のもとに晒されるだろう。その頃には、季節は名実ともに秋を迎えているはずだ。そして今のカープにとっては、秋を飛び越えていきなり凍てつく「厳冬」が訪れるのかもしれない。

喉から手が出るほど欲しかったはずの白星が、これほど虚しく心に響く夜もない。勝ち星という結果でごまかすには、あまりに多くの構造的課題と闇が露呈しすぎている。不条理な決断が生み出した歪みは、やがて隠しきれなくなるだろう。忍び寄る秋の深まりとともに、このチームに本当の「厳冬」が訪れる日もそう遠くはないはずだ。

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