昨日私は、疲れた頭で「当局はやはり新井態勢に向かって走っているんだろう」と書いたが、正直こんなにすぐ発表されるとは思わなかった。それでも今朝大本営報道班たる中国新聞の1面を飾り、在広プレス各社も追随した。いよいよアライ政権の誕生である。
一部報道では、昨日くらいまでの段階でアライさんと緒方くんに絞られたと言っていたが、正直懐疑的だった。絶対に本命は東出だと思っていたし、球団当局者の見解は絶対にそうだと思っていたからである。それがそうそうに覆されたから、驚いたというのが本当のところである。
今日の報道では、ハジメがアライさんを推したと言うことであったが、嘘とまでは言わないが眉唾だと思う。実際、球団当局者との距離の近さを誇る向きに東出で決まりと嘯いている莫迦がいるのを見たところであって、ハジメの思いは絶対にそうだったはずである。しかしそうしなかったのは、やはり佐々岡体制が大コケしてしまったことが大きいだろう。このままファンの支持が薄い東出で強行突破したら、カープ球団も無傷ではいられないという以上でも以下でもあるまい。
それに、ずいぶん嫌な見方をすれば、アライさんは東出の同期入団で4学年上である。すなわち、年功序列の観点からしたらアライさんのあとに東出が収まるというのは流れとしてもあり得るのである。きっとそういう思惑があるに違いないと思うし、その線で東出を説得している可能性すらあると睨んでいる。
私の見解からすれば、佐々岡体制でチームを崩壊させた責任があるといっていい東出の昇格なんて有り得ないと思っているので、アライさんならまだましかとも思うのだが、問題は指導者経験がなく、少なくとも勝たせることができるかどうかは未知数な点である。今のカープに必要なのは、勝たせることができる指導者である。実際、3年前はその点を無視して佐々岡昇格をごり押ししたからこういう結果になったのであるし。
その意味では、組閣が大事になってくる。アライさんを作戦面用兵面でサポートして、なおかつ鬼になれる、嫌われ者になれる人材がいなければならない。既に一部報道では水本のヘッド格での復帰が囁かれているが、彼では無理だろう。打撃と守備走塁に一人ずつ、鬼軍曹がほしいところだ。
しかし、アライさんの「フレッシュさ」を考慮しても、やっぱり決定に至る経緯は旧態依然、古くさいと言わざるを得ない。奇しくも今日はマリーンズが、指導者実績もありかつ理論も修めている吉井理人の新監督就任を発表したが、まさにベクトルは真反対だ。やっぱりカープを巡るサークルって、古色蒼然としているんだよね。まあ、セントラルなんてどこもおんなじようなもんだけどね。
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コメント
サラリーマンでもプロ野球選手でも、他人と同じようなスキルトレーニングじゃー、人並みで終わってしまう。偉人賢人は絶対と言っていいほど、他人と違うスキルトレーニングを取り入れている。山本由伸はやり投げトレーニングでバランスのいい最適化投法を身に付けた。山田哲人はランダム11種類のティーバッティングでイン&アウトコース、ハイ&ローボールどこでも瞬時に反応できるようなった。古いところでは、王貞治が合気道の武器術・剣術を取り入れ、真剣(日本刀)で素振りをし集中力を養った。
古武術の研究家・甲野善紀によれば、私が最も好んだフットボールプレイヤー、ロナウジーニョは日本のナンバ歩き等古武術の動きを無意識にしている、と語っている。他にもサッカーブラジルA代表の選手に、日本の古武術の動きをしている選手を見掛けると言う。
一方、MLB選手のトレンドトレーニングであるシアトルのドライブライン・ベースボールを誇らしげに推奨する方がおられたが、実はドラブライン・ベースボールのトレーニングでぶっ壊れたNPBの投手は10名以上いる。ベイの今永(肩肘)・東(トミー・ジョン手術)ロッテの種市(トミー・ジョン手術)カープのアドゥワ誠(トミー・ジョン手術)等々重傷者だけでも10名を下らない。重症ではないが藤浪はドラブライン・ベースボールのトレーニングを率先して取り入れてからずーっと不調だ。何でそうなるか、ど素人が考えても分かること。MLBのアメリカ人とNPBの日本人では骨格・筋肉量等体格が決定的に異なる。にもかかわらずMLB選手と同じ方法でトレーニングすれば、故障率が高くなるのは当然。それを考慮せず安易にドラブライン・ベースボールのトレーニングに飛びついたNPB選手は痛い目に遭っている。科学的に考えれば簡単に分かることなのに、MLB選手で成功者が1人でも出ると、それが正しいと信じてしまう単細胞がいる。
古武術の研究家・甲野善紀が指摘しているブラジルのサッカー選手が、無意識に日本の古武術の動きをしているのは体格が日本人に近いからなんじゃないか。ブラジルのサッカー選手にとって、ゴリゴリの西洋式パワーで押しまくる動きより日本古武術式の動きのほうが自然でフィットするのだろう。
せっかく日本に優れた古武術が多々あり、相手の力技を吸収しその反動で倍の力で返すというような動きは日本人向きなのに、何で日本のアスリートはトレーニングに古武術を取り入れないのだろうか。何でもかんでも欧米式にすればいいというもんじゃない。
数年前、合気道・少林寺拳法・空手・剣道の道場で一緒に稽古していた中学生が、これら複数の武道の動きを取り入れサッカーで活かしたいと、現在筑波大サッカー部で武道の動きがサッカーに有効なのか研究しながら活躍している。
カープの選手のように与えられたことを考えもせず、ワンパターンでトレーニングしているようじゃ、
いつまで経っても二流のまま。
「人間は考える葦である」 ~ブレーズ・パスカル~