貧しさに負けた。いえ、世間に負けた。

おもひで

なんとなく最近のカープファン界隈の心情のような一説になってしまったが、もちろん既製品である。いうまでもなくさくらと一部の名曲「昭和枯れすすき」の出だしである。1974年7月発売、翌年にはオリコンヒットチャートの1位になったという。さぞかしオイルショックの当時の心情に合ったのかと思いきや、テレビドラマの劇中歌から火がついたらしい。でも確かに浮世離れしているほどの救いようのなさは確かにドラマティックともいえる。

この後に、「力の限り生きたから 未練などないわ」という歌詞が出てくるのだが、これには物言いを付けたい。人間というのは生きている限り未練のあるものだと思う。いや、もし天上界での世界があるなら、永遠に未練が続いているのではないかと思っている。絶対に、力を出し尽くした、やりきったということはありえないだろう。たとえ肉体的限界があろうとも、それに抗い続ける三浦知良がいるように。

事実、この曲の3番の冒頭は「この俺を捨てろ なぜ、こんなに好きよ」である。現世に未練がないような口ぶりから一転して相手の男から離れられない(きっと男も女から離れられない)ことを表明しているのだ。これって最大の未練ではないか。矛盾を突いているわけではない。全体的には現世に対する未練たらたらの歌詞であって、それがまあよいのである。

私はまだ56年と半年しか生きていない。昨年末にシャットダウンされかけたが、幸か不幸か最短で戻れた。そんな私が言うのもなんだが、私の人生は振り返るに未練だらけだ。なぜあの頃こうしなかったのかということばっかり胸に去来する。もっと必死に勉強していさえすれば、もっと要領よく立ち回れたならば、とか、枚挙に暇がない。

だから、仕事やらなんやらで猛烈に忙しいときはさておき、時間的余裕がぽっかり空くと、なぜか猛烈に勉強したくなる。別にもう一度司法試験を受験したいとか(今はお得なんだけどね)、再度京大法学部を目指したいとか思っているわけではない。後者について言えば、あの恐ろしく不出来でカオスな共通テストなんて二度と受けたくない。

大学受験で言うなら、私は現役時代には私立大学はまったく受験しなかった。あのとき関関同立や早慶当たりを受験しまわっていたら、どこかに引っかかっていたかもしれないと思う。その後の人生がどう変わったかという保証はないが、南海ホークスの最期やあの10・19を見逃した後悔は強いのだ。もちろん、かえってやさぐれた人生になった可能性はあるけれども。

余談だが、日東駒専大東亜帝国とか産近甲龍とか言い出されたのは、ちょうど私の頃からである。正直言って、私のまわりではこのあたりの大学は滑り止め以下の扱いだった。関関同立か早慶上智が私立のステイタスだったのである(理系・医学系はその限りではないけど)。文系だと白門の法科は名前が通ってるかなというくらいで。

昭和枯れすすきから大学のランキングに話が大きく逸れてしまったが、要するに後悔というのは絶対について回るものなんだと言うことがいいたいのである。それは、不断の進化への渇望を表す、といったら大きく言いすぎか。未練があるからこそ、前が向けるという側面があるのではないか。これを裏から見ると、親愛なるKarlの言うとおり、人間というのはとても欲深い存在である、と認定すべきなんだろうか。

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コメント

  1. Иван Иванович より:

    未練かぁ。
    ま、人それぞれ生き方も思想も違うので、未練や後悔がある方を否定するつもりはない。自己物語のメンテナンス作業の一環なんかなぁ。

    俺には未練があるのかどうか自覚がない。第一希望第二希望ではない道を選択し生きてきたけれど、未練や後悔は最小限に留まっているかな。目標があって、極限まで追い込んで試すのは20歳までに終わってるから。己の限界を知る作業は、早ければ早いほうがいいと個人的には思ってる。

    故父母の家系を引き継いで、学童期から不安定な流浪の民化しているので、中学の頃には”諸行無常のこころ”が自然に備わっていたような気がする。「どうせ壊れるものに執着しても意味がない」と。自分の中では、反省=進行中にやる、後悔=構造的に無意味、未練=次の最適解を阻害するノイズと捉えている。過去に執着しない、未来を過度に期待しない、今の最適解に集中する、変化を前提に生きる、失敗を素材化する、関係性を形式より重視する、行動量で未練を潰す。こんな感じで能天気に過ごしてまっさ。

    終わり方に意味を求めず、幸福を目的化しない。
    「人生の最期は美しくなくていい」と思ってるので、お気楽でっせ(笑)。

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