追慕会の夜に嘯く

おもひで

12月14日、赤穂義士祭の日である。昨年も土曜日に当たっていたこともあって家人を誘っていったのだが、あまりの規模の縮小ぶりに愕然とした、というのは昨年書いた。なんといってもかつては義士祭と言えば赤穂市の人口が倍になるほどの規模だったのだが、今や縮小感が著しい。もともと赤穂市というのは栄えても開けてもいなかったのだが、なんか我が故郷の衰退ぶりを目の当たりにするようで、気が滅入った。

なのでというわけではないが、今年は行かなかった。まあそもそも自分が病み上がりだから遠出は出来ないのだが、そうでなくても行かなかっただろう。WEBで見た限りでも規模は昨年同様のようだし、露店も出店も少なさそうだから、祭り感が乏しい。これでは行く気にならない。ちなみに今年も大石内蔵助役は内藤剛志とのことで、いよいよ人材が払底してるのかなという気がする。

そのひと昔前に帰省して見に行った時は、松平健だった。これはもうかっこいいに決まっているのである。しかし、時代劇そのものが衰退している今、時代劇のヒーローに叶う役者がいないのだろう。そのうち木村拓哉とかになるかもしれない。そうなったら大騒ぎになるだろが。もっとも、大石内蔵助は享年四十三だから、木村拓哉でもまだ年上なのだ。今のそのくらいの年代の役者で、大石内蔵助に擬して嵌まる役者なんてもういないだろう。

忠臣蔵の物語は、いうまでもなくNHK大河ドラマで3度扱われている。最初が長谷川一夫(実はこれがテレビ初出演だったという)、二度目が緒形拳、そして三度目が中村勘九郎(後の勘三郎)である。亡母などは勘九郎の内蔵助を見て「目に力がない」と言ったが、その代わり山科のお茶屋遊びに興ずる姿は天下一品だった気がする。赤穂市サイドは4度目の大河化を求めているらしいが、今や内蔵助ができる役者に誰がいるだろう。それが最大のネックではないか。

かつて書いたところだが、忠臣蔵は本来誰を内蔵助に擬してもそれなりの物語ができる。だから古川緑波やビートたけしの内蔵助役が嵌まるのだ。逆に気をつけるべきは浅野長矩公と吉良上野介公のキャスティングで、これを間違うと全部台無しだ。三度目の大河では吉良公を石坂浩二がやっていたが、これに違和感を感じた方も多かったかもしれない。本当の吉良公はああいう人だったかもしれないと思っているが。今や賑やかしの大根役者ばっかりだから、こういう重たい役のキャスティングなんてそもそも出来ないというべきだろう。

などということを、暇に飽かして考えていたのだが、結局どの世界でも一緒だと思う。私は我が社のことを二言目には悪く言うのだが、結局上級管理職も中間管理職もダメダメ、というかなんで君がなってるのというような人ばっかりだから幻滅するのである。なんといっても我が社は羊頭狗肉なのであって、看板と外面は立派だが内実はハラスメントの蔓延るブラック企業である。下の者に強く当たって外面はペコペコするのばっかり出世しているのが現実だ。

赤い帽子の野球チームだってそうではないか。ここの残念なところは指揮官がアンポンタンで脇を固めるべき参謀もいないことである。しかも、手兵は三流以下で兵器は前時代的。これで勝とうと思うこと自体が間違っているのだが、そのことを指摘するとそれは本当のファンじゃないとでも言いたげな蛆虫がたくさん湧いて出てくるのだ。困ったものだ。

先日私は指揮者を引き合いに出したが、をのこたるもの一度はやってみたい稼業にプロ野球の監督とオケの指揮者があるのだそうだ。その意味では、今のカープなんてカラヤンやレニーなんぞに及びようもなく、かといってケーゲルとかチェリビダッケのような仕事が出来るはずもなく、まあ誰とは言わないが無能凡庸な指揮者がアマオケを振っているかのようだ。いや、そんなことを言ったらアマオケに怒られるか。

話が逸れた。内蔵助公が「昼行灯」というあだ名がついていたことは有名だが、本当に頭の中が昼行灯だったらあれだけのことを仕切ることなど出来ようがないだろう。それに引き換え新井はホンモノの昼行灯だ。こんなのが仕切っていたら吉良邸討ち入りに至る前に頓挫していたに違いない。新井が目立つのは図体のでかさだけであって、まあ独活の大木とでも言えば良いか。

その新井、今日は某イベントの席上で現役ドラフトで活躍した辰見鴻之介を「絶対に必要な戦力」と持ち上げたらしい。まあよほど私などが奏でる雑音がハジメの耳に入っているのだろう。なんとか正当化しろ、持ち上げて良く見せろというお達しが出ているのだろう。それにしても新井、二軍で2割8分打っているから大丈夫と言ったらしいが、正気かと言いたい。確かにカープの野手陣はクズばっかりだから辰見の残した数字に勝てる選手はそうそういないのだが、そんな並以下の数字で誇られても、ねえ。

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コメント

  1. Иван Иванович より:

    プロ野球オールスターで、ファン投票や監督推薦より、選手間投票で選出されることが最も名誉だと感じているプレイヤーは多い。外部の人間に何が分かるねん!という思いを抱いているのが現役プレイヤーの本音だろう。

    プロオケの指揮者についても同じ。一般聴衆は、名前だけ見て或いは思い込みで勝手に「一流」のラベル貼りをするけれど、プロオケやプロ歌劇場団員の立場からすれば、まあ、本物の良い指揮者は本当に少ない!という現場の声が圧倒的多数。
    プロ演奏家は2~3歳から20年以上訓練するけれど、指揮者はプロ演奏家を目指しながらも失格の烙印を押される人もいれば、10代後半から始めても“指揮者”になれてしまう職種でもある。世界的に著名なある指揮者が、リハでプロ合唱歌手に「ここはこういう風に歌って」という見本を示す時の歌声が音痴だったりする。失笑が漏れていたなぁ。要するに、指揮者は演奏家より格下のケースが大多数なわけだ。
    取り分けウィーン・フィルは“指揮者はオケより格下”という文化で、世界五指に入る指揮者クリスティアン・ティーレマンでさえ、ウィーンフィルの指揮台ではガチガチに緊張している。

    プロが“この人のために弾きたい歌いたい”と思う指揮者は、世界で数人。有名=一流ではない。現場の評価はまったく別である。名前ではなく、現場での“扱いやすさ”がすべてなのだ。

    どうでもいいけど、辰見鴻之介。
    2026年1年ポッキリで戦力外になる、に100,000インドルピー張るワ(笑)。

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