浮世の風は切ないよ厳しいよ。

松山竜平の再就職先が、オイシックスアルビレックス新潟の兼任コーチに決まった旨発表された。まあ予想どおりである。松山にしても、あるいは田中広輔にしても、引取先はオイシックスかくふうハヤテ、もしくはインディペンデンツだろうと思っていたからである。まあくふうハヤテは内紛で補強どころじゃないだろうから、順当な線ではないか。

申し訳ないが、今のカープで戦力外になるような選手で、NPBのペナントレースを争う他の11球団でそれなりの役に立つのがいるとはとうてい思えない。松山はまだ打撃技術で拾ってもらえたんだろうが、田中広輔くらいででも相当厳しいと思う。ショートやサードを守らせるには致命的な弱肩、それを補うほどの打力はもう期待できないとなると、どこも二の足を踏むのは目に見えている。ましてやそのほかの選手をや。

それが現実なのである。それほど今のカープは人材が払底しているのだ。中には今シーズン田中がファームで残した数字を見てまだやれると思っている向きもいるだろうが、甘い。それは田中が一軍でまったく爪痕を残せなかったことからも明白だ。こういう選手は、もう必要ないのである。いくら功労者といえども。それがプロの世界の掟である。

今のカープに、ファームの門番なんて必要ない。そこで切磋琢磨して、一軍で結果を出す選手を育てなければならないのだ。残念ながら松山も田中も、今年の存在意義はファームの門番以上でも以下でもない。今シーズン思い切って彼らをリリースした判断は、正しいのである。さらにいえば、ファームの門番にすらなり得ないのはリリースして当たり前なのである。むしろ今年は少なすぎるくらいだ。

さらにいえば、一軍の枠を食わせてもらっていたり、主力面している選手の中でも、他球団で通用する選手は極めて少ないのが事実だ。特にオフェンス。小園と坂倉を除いたら、誰がいるだろうか。もはや菊地や秋山でさえその存在意義は怪しいのである、奨成はまだ仮免だ。末包だって大いばりではおれまい。

その割には、主力未満ゴミクズ並みの選手が高年俸もらいすぎである。だから全体的にチームが沈滞するのだ、部屋住まいや足軽が家老なみに処遇されているような組織に、競争が生まれよう訳がない、プレイヤーが伸びよう訳がない。昨日は野間を指弾する形となったが、これは他の選手にも全て当てはまることだ。

非常に厳しいようだが、プロフェッショナルを名乗るなら当たり前のことだ。それが嫌なら廃業すればよい。どんなプロスポーツでも、結果を出せないプレイヤーにはリタイアあるのみである。大相撲のように取的を続けて居座るわけにはいかないのだ。唯一の例外といえるのは三浦知良だろうが、彼はもうその存在自体が説得力だからよいのだ（それにJFLだしね。）。

話はあちこちに飛んだが、きっと松山は今季リリースされた選手の中で最高の契約を摑んだ結果となるだろう。中村健人は引退を決意したようだが、それ以外の選手では、たとえ田中であっても松山以上の契約を取ることは不可能だと思う。それが今のNPBである。要するにカープというチームはどこまでもぬるいのである。

いや、NPBでもまだぬるいかもしれない、もっと厳しいのは浮世の風だ。そこで修業して結果を出すことが彼らに出来るだろか。個人的には、今広島で減ってきているカープOBの飲食店の系譜を継ぐのが出てきてもよいと思うのだが、そのためには相当の修業を積まねばならない。なにも小林敦司のようにパティシエ修業をしろとは言わないし、山口晋みたいに京料理にすすめとは言わない。しかし、今の彼らにその修業に耐えられるだろか。きっと無理だな。