今日は午後いっぱいバタバタしていたので、全く映像には接していないし、文字列も断片的にしか見られなかった。しかし、その必要もなかった。そもそも私はスターター発表の時点で今日の結果は予想していたが、そのとおりになったというだけだ。非常に悲劇的な結末を辿るだろうということまで。
新井を筆頭に、カープの指揮官から選手に至るまで、そしてカープファンのほとんどもなぜここまで悲劇的な負け方をするのかということが理解できていないのではあるまいか。でないと今日のスターターなんてありえない。2番サード羽月で現状打開をというのは、甘すぎるのだ。
おそらく、現状はなにか少しうまくいっていないだけで、それが打開されれば必ずいい結果が出るという弱いチームにありがちな重大な勘違いを犯しているに違いない。しかし、たとえそれが少しのように見えても、そういううまくいかないことの連鎖を打破するには多大なエネルギーを要するのである。申し訳ないが、現有戦力のやりくりでは、絶対いい結果はでないのだ。
1993年、第一次山本浩二政権の崩壊の引き金になったシーズン終盤の12連敗の時なんかその典型である。途中まで優勝争いに食い込んでいたくらいなのに、ほんの僅かなほころびの連鎖で勝てなくなり、やがて惜しい敗戦を繰り返し、最後は全然だめになった。だから、今のうちに抜本的になにかを変えないと、連敗は際限なく伸びる。
頭の硬いファンにありがちなのが、ファームから選手を上げたところですぐに結果なんて出ないという思い込みだ。しかし、結果の出ない闇に巻き込まれた選手よりは、そういうのに塗れていない選手のほうが良い仕事をすることもあるのだ。前述した1993年の12連敗のときも、止めたのはそこまで白星に恵まれなかったルーキー鈴木健の完封勝利である。ちなみに鈴木健は期待されながら、ついにプロでの勝利はこれだけだった。
もちろん、今はファームもそんなにいい状態ではない。しかし、全員だめなわけではない。とっかえひっかえでよいではないか。思わぬところに青い鳥がいるというのは、前の鈴木健の故事からも明らかだ。それを探しきれるかも、また指揮官の技量なのだ。
話を今日の試合に戻すと、14安打という数字を決してポジティヴに考えてはならないのだ。よく頑張った、あと少しと思っていると、連敗は続く。すべてを無にして、一から野球を構築する覚悟でないと、まあ勝てないだろう。それを視野狭窄に陥っているきらいのある新井にできるだろうか。
弊ブログでは何度も引用した歌であるが、今こそ再度カーブに捧げる。敗北を結果でしか捉えられなければ敗北の連鎖があるだけだが、敗北を敗北の契機と捉えれば、まさに「負けるが勝ち」となるのではないかと思う。
おのれより絶えずおのれを放逐し変貌し否定しかつ敗北す(斎藤史)






コメント
遅まきながら、スカウト部門顧問・苑田聡彦氏は今年の2月に引退されたんやね。俺の印象では、先見の明がある優秀なスカウトだったと思うが、ここ数年は彼が見出した逸材をことごとくオーナーにひっくり返されていたんやない?
2017年春のスカウト会議では、苑田氏の推しは村上宗隆だったという。ところが甲子園夏季全国大会で奨成の活躍があってもドラフト寸前までオーナーは鈴木博志に決めていたとか。田嶋大樹にいくならまだしも鈴木博志とは、どんだけセンスがないねん。オーナーが誰に諭され鈴木博志から奨成に乗り換えたのかまでは分からんが、積極的に奨成を推していたわけではなく渋々承諾したので、入団してから冷遇したんやろね。言うまでもなく村上宗隆を1巡目に指名していれば一本釣りやったね。
また、2022年苑田氏の推しは森下翔太だった。ところがオーナーは斉藤優汰に拘り譲らなかったとか。森下翔太だったら一本釣りやったのにね(タイガースの1巡目は浅野翔吾)。
カープが村上宗隆と森下翔太を獲得したとしても、ヘボコーチが潰していたに違いないとは思うけれど、まあ、普通に考えるとこの2名が居れば2019年以降も複数回優勝していたやろね。
優秀なスカウトが潜在能力が高い逸材を強力に推しても、最終的に決めるのが非力・チビ好みのヘボオーナーなんやから、チームが強くなるわけがない。
それと今、先発投手陣が崩れかけているように映るのは錯覚であって、バテて大きく変化したわけやない。一見、粒ぞろいで優秀っぽく映っても、カープの先発投手陣はストレート平均球速150㎞未満の緩い投手ばっかりなので、甘く行くと簡単に捕らえられる。やはり、多少不調でも剛速球で押せ押せの投球が出来る投手が1人も居ないのは致命的でしょ。ストレート平均球速150㎞超えの先発投手が最低2名いないと、日本の頂点に立つことはない。
球団は投手を中心に「守り勝つ」野球を目指している割に、ストレート勝負を避ける逃げの投手ばっかで、前半戦で研究分析されたら忽ち打ち込まれ「守り勝つ」ことも出来なければ、ショボい打線で「打ち勝つ」ことも出来ない。
まあ、何から何まで中途半端の極みで、ファンであることが恥ずかしいので、カープウォッチャーとして距離を置きながら生温かく見守ることに留めている。