早いもので、あっという間にこの日を迎えてしまった。明日の今頃になれば、例によってスカウティングリポートを書いているだろう。その目玉が誰になるかは神のみぞ知るが、とにかく今のカープの論点にぴったり合う選手と縁が結ばれることを祈るばかりである。ドラフト会議というのはいつぞや私が書いたとおり一大シミュレイションゲームなのである。だからこそ、難しい。抽選というリスク、他球団の利害と出方の読み、そのどちらがうまくいかなくても、思った結果は得られないのだ。
カープは一巡目指名として明治大・宗山塁内野手の入札を公表したが、他球団はその動きに追随しなかった。カープとしては、宗山に対する操を立てるというよりも、他球団の動きを見えやすくするために敢えて公表したのだと思う。しかし、その目論見は失敗したことになる。もちろん、早く公表したら縁が強く結ばれるなどというエビデンスもあろうわけもなく、あとは何球団札が入るか、抽選で交渉権が獲得できるかということに尽きる。抽選に臨むのは新井のようだが、果たして運は残っているや否や。
もちろん、仮に宗山の交渉権が得られてもそうでなくても、それでドラフトは終わりではない。この後の立ち回り方が問われるのである。きっと今年は即戦力が見込まれる長距離打者中心となるに違いないが、どれくらいの順位でどの程度の選手を指名するのかが勝負となるだろう。本当に、ドラフト会議の席上にハジメを座らせるくらいなら、ドラフトオタクとシミュレイションゲームの達人を座らせて分析させたら良いのではないか。
ひとつ気になっているのは、ここまで息を潜めていた「守り勝つ野球」信奉派が、前のクライマックスシリーズファイナルステージの結果を受けて息を吹き返しつつあることだ。あのベイスターズの戦いこそがカープの生きる道という言説にも接しているし、やっぱりピッチャーだという風潮が生まれつつあるようだ。もちろん、ベイスターズが勝ち抜けた理由はポイントゲッターの枚数の差に過ぎなかったのだが、やはり人は好ましい結果しか見えないのかもしれない。
もちろん、栗林の右肘手術という事態を受けて、クローザータイプ若しくはそれが可能なタイプのピッチャーが欲しいことは言うまでもない。特にピッチャーは特殊ポジションだから、枚数が必要なのは確かである。しかし、今年獲得すべき選手の順位としては劣後することは言うまでもない。やはり、今年のトレンドはバッターであるのだ。
問題は指名人数だ。今年は最低でも7,8人は指名してほしい。そうすれば、弥が上にも「変化」が起こらないわけにはいかないだろう。野手が5人、投手が2人、捕手1人というのが望ましいと思う。とにかく今年はピッチャーがーというプロトタイプ思考などくそくらえである。あとは、その中に宗山塁がいればいいし、渡部聖弥と両取り出来ればなお良い。かなり難しいと思われるが、せめて最後の一晩、「引き寄せの法則」に期待しても良いかもしれない。
本当なら、明日は仕事を切り上げて少し早く帰りたいところだ。しかし、こういう日に限ってそうはいかない、せめて帰宅途上に速報を見るのが関の山だ。せめて手に汗握ってWEBストリーミングを見ることとしよう。幸いに帰りは遅くならないと思われるので、あとはsky-Aの中継を育成最後の一人まで見ることとしよう。
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コメント
仰るようにドラフトは確かにシミュレーションゲームだとは思うけれど、ドラ1といえど圧倒的にハズレ選手の人数が多いのも事実。1980年以降のカープドラフトをみても、野手ドラ1で当たりといえるのは1988年の野村謙二郎、2018年の小園海斗の2人だけでしょ。2人以外、1980~2023野手ドラ1(捕手含む)11名は、ハッキリ言ってハズレだよね。この四半世紀で野手ドラ1の成功率が1割5分。
緒方孝市は1986年ドラ3だし、孤高の天才といわれる前田智徳は1989年ドラ4、鈴木誠也は2012年ドラ2、坂倉将吾は2016年ドラ4。こうしてみていくと、カープはドラ1より2位以下の成功率のほうが高いのだから、如何に知名度が低い2位以下にポテンシャルが高い隠し球を引き込むかが、勝負の分かれ道なんじゃ。あのイチローだってドラ4だからねえ。
確かに2024ドラフトで宗山塁は、頭ひとつ抜けた存在のようだが、1軍の舞台に立ってみないと分からんからねえ。ひとつ言えることは、ホームランをガンガン打つタイプではないので、率(打率・出塁率)を残せないようだと、案外苦しい立場になる可能性もある。宗山の打撃スタイルは、2023ベイの新人・度会隆輝っぽい感じもするので(しかも度会より身体が一回り小さい)、過剰な期待はどうだろう?という気がしないでもない。
ドラフトもシーズン開幕も、始まる前は期待も妄想も大きくなるが、実際143試合が終わってみると、厳しい現実が待っている。