ある鯉党のたはごと2024その1;ある考察

あれは広島アジア大会の最中だったから1994年の8月だったように記憶しているが、某スポーツ紙を喫茶店で取り上げ、その裏一面を見て驚いた。それを飾っていたメインの写真が、沢松奈生子選手のスコートがめくれ上がってアンダースコートが見えていたものだったのである。もちろん記事の表向きは別のものだったが、明らかにそういう写真が撮れたから記事にしようという意図がみえみえだ。

件の写真が、偶然撮れたものなのかどうかは分からない。とはいえまさかまともなスポーツ紙のカメラマンがそういうショットばかり狙っているとは思えないので、きっと偶然なんだろう。それにしても、そういう趣味に訴求するような記事を作るかという気はする。天下のスポニチともあろうものが(言っちゃった)。でも、生き馬の目を抜く販売競争の中では、やむを得ないのかなとも思う。

いずれにせよ、これも一種の性の商品化であることは間違いない。しかし、これなどまだかわいらしいもので、アスリートをめぐる性の商品化は過熱する一方になっている。その典型が昨年から尾を引いているドルーリー朱瑛里選手をめぐる騒動だろう。まさに彼女をアイドル化して消費しようとする意図が見え見えである。彼女が優れたスポーツ選手であるからというよりは、ヴィジュアル的に優れているからとしかいいようがない。

念のために言うと、私は資本主義を否定するものではないから、性の商品化を直ちにけしからぬという気はない。残念ながら資本主義下ではあらゆるものの商品化は不可避である。Weber先生は違うというかもしれないが、私はそのような見解に与さない。問題は、その程度だろうと思う。たとえば、今のアイドルなどは性の商品化の典型だろう。女性アイドルの男性への訴求もそうだが、その逆もまた真なりである。しかし、それを否定することは出来ない。だって、一種の疑似恋愛がその存在意義の前提となっているのだから。いや、手が届くところにあって自分でももしかしたら思わせる商売を取り入れたのが、秋元康である。

ならばスポーツ選手にだっていいじゃないかといわれるかもしれない。伝統的なアイドル観のように、見ているだけで疑似恋愛性を満たすのであれば分からなくはない。しかし、今は違う。明らかに自分の手に取りたいという欲求が前に出ているし、各種媒体もそれを後押しするような報道ぶりである。そりゃ目を付けられた選手にとってはたまったものではない。

今年の皇后杯都道府県対抗女子駅伝では、ドルーリー朱瑛里選手に対する取材には厳しい規制が引かれたようだ。それに各種媒体が食ってかかったようだが、いざ取材の機会を与えるとなんの質問も出なかったやに聞いている。要するに、彼らはドルーリー朱瑛里選手の写真が欲しかっただけなのである。なんともばかばかしい話であるが、それが現実だ。

そして、やがて一億総パパラッチ社会になっていくのかね。他人のプライヴァシイと言うものが認められない愚民どもなんて、Jobsは想定していなかったのではないかと思う。その意味では、やはりWeber先生の人間観は誤りなのであって、親愛なるKarlの見方が正しいのである。所詮人間って、どこまでも卑しくて欲深い存在なんだろうと思う。

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“ある鯉党のたはごと2024その1;ある考察” への1件のコメント

  1. Seniorのアバター
    Senior

    まあ私は人間は性悪説だと思っているからね。
    自分のプライバシーは見せないクセに他人のプライバシーを知りたがる。
    一回お前のプライベート暴露したろかなと思うよ(笑)
    やられたらどんな気持ちになるかを味あわせたい。
    しかしまあ新聞社とか雑誌社は世論を味方につけた気になっとるね、そこが私は嫌いなんだよ。

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