本当のバファローズを、カープファンは誰も知らない。

西川龍馬のFA移籍に伴う人的補償に関する、プロテクト選手名簿が今日カープ球団に届いたらしい。もちろんこちらはそのリストを見るよしもなく、これからでカープファンの間で妄想が繰り広げられていくことだろう。しかし、特にSNSでのカープファンの言を見ると、ああバファローズというチームをみんな知らないんだなあと思わざるを得ない。そこで、本日はお日柄もよろしいので（友引だろうという突っ込みは却下）、このあたりをバッサリ解体していきたいと思う。

まず、カープファンならずとも犯している最大の誤解に、「バファローズは投打とも人材が揃っている」というのがある。私などはそれを見るたびに失笑を禁じ得ない。言うまでもない。バファローズは確かに投手のタレントは豊富だが、野手のタレントは決定的に欠けている。だから3連覇して2度日本一になり損ねたのだ。今年だってもしバファローズが打てるチームだったら、タイガースなど圧殺している。

なら投手を取るべきではないか、と多くのカープファンは言っている。しかし、これはもっと誤りだ。過去3年のバファローズ、とにかく投手陣のタレントを自転車操業のように回すしか能のないチームと言っていい。だから、めぼしい投手を抜かれると困るのであって、絶対プロテクトされる。またそうしないと来シーズンに差し障りが出るのだ。逆に言えば、ここでプロテクトから漏れるような投手は、獲得する意味に欠けるのだ。要するに将来性ないよと言われているに等しいから。

バカープファンに顕著だが、補強と言えば何でも投手を集めれば良いと思っている向きがいる。ただ、この人的補償に関して言うなら、やめたほうがよい。特にもの知らぬカープファンによって名前が挙げられている選手は、NGと言っていい。まして吉田輝星なんてどの口が言うんやというくらいありえない。もちろん、政策的配慮で若手選手を厚くプロテクトした結果、山岡泰輔とか田嶋大樹あたりが漏れていたら、話は別だ。

それでは野手はどうか。結論から言って、このチームでレギュラー取れない中堅選手はいらない。以上。今のバファローズのレギュラー野手で、不動のスターターという名にふさわしい選手がどれだけいるかと言うことだ。宗佑磨に紅林弘太郎、杉本裕太郎、中川圭太くらいで打ち止めだ。正直、その合間を埋めているような面子は、今のカープでレギュラーは取れないと言っていい。まあ、上本やら矢野やら羽月やら曽根やらといった非力な面子を有り難がるバカープファンには魅力的かもしれないけどね。

ただ、こちらは若手にブレイク候補がいる。先日も名前を出したが、来田涼斗に元謙太、あるいは内藤鵬といったところだ。私の予想では、ここまで絶対にプロテクトが回っていない。このあたりの将来の大砲候補に手を伸ばすのが、今年の正着手と言える。まあ少し手を広げて太田椋くらいまでか。もし彼らのような若手野手がプロテクトの対象にかかっていたら、ずばりT－岡田だ。何度も言うようだが、彼はきっとセントラル向きだと思う。

カープファンから挙がってくる名前、特に野手を見ると、ああ君たちバファローズの試合を全然見てないねえといわざるを得ない。敢えて名前は出さないが、そんな選手取ってどうすんのと言いたくなることがあるのも事実だ。要するに、今のカープに一番必要なピースは何かということがまったく吟味されてないんだろう。だから少しばかり試合に出てきている若手から中堅にかかる選手を有り難がるんだろう。それが「育成型球団」のあるべき姿とでも思ってるのかね。あー馬鹿馬鹿しい。

過去3回の人的補償を見ると、赤松はちょっとばかし足が速い選手という認識しかされてなかったし、ミスの多い選手というラベリングがあったくらいだ（「アホ松」とか「バカ松」とかね）。一岡に至ってはカープファンの大半が名前すら知らなかった選手である。むしろ別の何人かのサウスポーに絞られたという「内部情報」を蕩々と流したアホなカープファンがいたよね。一方で長野さんはその入団経緯から見て「ジャイアンツ愛」の塊のような人で、まさかと思わせたのである。その意味では、カープ球団もまあうまく立ち回っているから、とりあえずは待っていればいいのかと思う。

ただし、ひとつだけ最悪の選択肢がある。もちろん、金銭補償のみと言う結論に達した場合である。もしそうなったら、心あるカープファンは徹底的に怒るべきだ。西川の穴の補強はしない、あくまでも松田家の蓄財のためだけに動くということを宣言するようなものだから。その場合は、私はハジメを絶対に許さない。再起不能になるまでに追い詰める覚悟だ。