日本シリーズ決着が暴くカープの暗雲。「撤退戦」の敗北と崩壊へ向かう赤ヘル

おもひで

ホークスの勝利で呆気なく決着を迎えた日本シリーズ。その勝敗を分けたのは、過酷な局面における「撤退戦」の手際と采配の柔軟性であった。1979年の古葉竹識監督による「古葉マジック」が示した通り、短期決戦の神髄は相対的優位の確保にある。
しかし、いまのカープにはその勝ち筋すら追おうとする野心すらない。松田元の私腹を肥やす構造改革拒否と、それを「球団の存続こそ絶対善」と無批判に讃美する信者ファンの怠慢。自滅と崩壊への坂道を下り続ける赤ヘル軍団の病理を冷徹に解き明かす。

【勝敗の分岐点】短期決戦における「撤退戦」の重要性

予想に反し、今年の日本シリーズは呆気ない決着を迎えることとなった。ホークスファンとしてーただし、小久保裕紀だけは生理的に受け入れられないのだがー推しチームの勝利自体は歓迎すべき結果であるものの、客観的に分析すれば、どちらに転んでもおかしくない紙一重のシリーズであったと言える。全試合を通じて容易な局面など一切存在せず、勝敗の機微においてわずかに風がホークスに傾いたに過ぎない。これを単に「圧倒的な戦力差」という一言で片付けるのは、物事の本質を見誤る論評である。

では、勝者と敗者の明暗を分けた真の原因はどのあたりにあるのか。最大の要因は、勝負どころにおいて相川亮二のタクトが固執に陥った点に他ならない。クライマックスシリーズの疲労が蓄積し、ガス欠状態に陥っていたともいえるレイノルズを3試合連続で起用し続けた采配は、その愚直さの象徴であった。フィジカルの休息を得ていたとしても、過酷な局面がもたらすメンタルの摩耗まで拭い去ることはできなかったのだろう。

対照的にホークスは、序盤で痛打を浴びた松本裕樹を第3戦の登板から外す決断を下した。この一手が見事に功を奏したかは別として、短期決戦の真髄とはまさにこうした「撤退戦」の手際にある。相川には投手への全幅の信頼や矜持を守ろうとする情があったのかもしれないが、結果としてその温情が致命的な裏目となったのである。

かつて広島東洋カープを率いた緒方孝市もまた、同様の硬直した采配によって短期決戦の敗北を重ねた。己のプライドと既存の「型」を頑なに維持しようとする姿勢は、長丁場のペナントレースにおいては一定の正当性を持つ。しかし、一瞬の隙が命取りとなる頂上決戦においては、その聖域すら自ら破壊する柔軟性が求められるのである。

【過去の教訓】「古葉マジック」が示した勝負勘と現在の病理

その意味において、今なお燦然と輝く指揮官が古葉竹識監督である。事態が暗転したと見るや、他の指揮官であれば躊躇するような大胆な勝負手を次々と繰り出した。1979年の日本シリーズにおいて、通説では「江夏の21球」ばかりが語られるが、本質は連敗スタートという絶望的な逆境を跳ね返した「古葉マジック」の柔軟性にこそあった。同様に、今季セ・リーグでタイガースがベイスターズの下剋上を許したのも、戦力差ではなく「撤退戦」への着手の遅れが原因であり、藤川球児という指揮官の限界を提示する結果ともいえるのである。

これらの教訓を反面教師とするならば、来季カープが浮上する道筋自体はきわめて単純である。絶対的な王者を目指す必要などどこにもない。スポーツの本質とは「相対的優位」の確保にあり、ペナントレースが実質的な短期決戦の集積と化している現代野球においては、今季のベイスターズが示した戦術的しなやかさを模倣すればよいだけの話である。

【崩壊への警鐘】無批判なファン層が加速させる赤ヘルの終焉

しかし、カープがその正攻法を選択することなど絶望的な夢物語に過ぎない。松田元が自ら勝利への構造改革を断行することなど絶対にあり得ないからだ。そして最も深刻なのは、その怠慢と独裁を無批判に讃美し続ける「一部の愚かなファン層」の存在である。「勝利を目指さずとも、球団が存続すること自体が絶対善である」という歪んだ自己目的化に囚われた自称ファンによって、カープの魂は内部から蝕まれ続けている。

現状に対するまっとうな批判を放棄したサークルに、ライトな層がとどまるはずもない。ファン層の先細りはすでに目に見える形で進行しており、来季もまた、静まり返ったスタンドで空疎な消化試合が繰り返されることは明白である。誇り高き赤ヘル軍団の栄光が汚され、歴史的な崩壊へと突き進む未来——その壊滅的なシナリオに加担している最大の主犯格は、他ならぬ無批判なカープファン自身なのだ。この自滅の構造を理解せず、クラブの崩壊を暗黙のうちに後押しする者たちに、もはや「カープファン」を名乗る資格など一切存在しない。

勝利への執念を失った指揮系統と、その不作為を「愛」と錯覚して甘やかし続ける無批判なファン層——この歪んだ両輪が回る限り、カープが再び覇者の栄光を取り戻す日など永遠に訪れない。
静まり返ったスタンドで空疎な消化試合が繰り返される未来を容認し、クラブの死を暗黙のうちに後押しする者に、ファンを名乗る資格はない。赤ヘル軍団の誇りを取り戻すため、私はこれからもこの自滅の構造に対して容赦なき告発の言葉を突きつけ続けていく。

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