今日はいわゆる「現役ドラフト」が行われ、カープからは中村祐太がライオンズに行き、代わりにイーグルスの内間拓馬が入ることとなった。昨年と同様12球団がひとりずつ出してひとりずつ取った形ではある。しかし、実際に動いた選手を見る限りでは、カープの立ち回り方には不満が残る。
もちろん非公開で行われているため、どのような経緯で誰がどこに指名されたかということは分からない。ただ、はっきり言わせてもらうならば、本当に内間でいいのか?という疑問があるのだ。むしろ水谷瞬の方が良かったのではないかという気がするし、櫻井周斗はどうだったのかという気がする。今年の結果を最初に見て、私は首を捻ったし、昨年の結果のような納得感にも欠けるといわざるを得ない。
とりあえず今までに調べた限りでは、ストレートが速く、かつ三振が取れるタイプらしい。宜野座高校ではほとんど実績がなく、亜細亜大学で頭角を現し大学ジャパン入りをしている。ちなみに同期は平内龍太、そして同じユニフォームを着る矢野雅哉。だから純然たる素材型とも言えまい。その割にはまだ一軍実績はほとんどないから、いかに化けるか、化けさせるかということが今後の論点になることはいうまでもない。
私が納得いかない理由は、上記のような経歴の投手をきちんと育てきれるかという疑念があるというのもあるのだが、もうひとつ、なんの思想もなくただ素材型のピッチャーを集めましたという点が見えるからだ。要するにカープは愚直に育成型球団の道を歩む、そのためには素材型のピッチャーをたくさん集めなければならないんだという誤ったメッセージが込められているように感じるのである。内間を獲得するのは良いが、内間を今のカープでどう活かすのかということが見えてこないのである。
ひとことで言えば、今のカープファン界隈に蔓延っている、何でも投手を取っていればなんとかなる症候群の延長線上ではないかとしか思えないのだ。今のカープには何が必要かということをきちんと分析しているような気がしない。内間には申し訳ないが、今のカープに必要な駒かどうかは些か微妙だとしかいえない。一番最初に結果を見たときの疑念や不満の原因は、そんなところだろうという気がする。
もちろん、これは内間が大化けして大向こうを唸らせる結果を出せば、話は別だ。実際、一岡を最初に取ったときも、カープファンの六割くらいは名前すら知らなかっただろうし、私もふーんくらいの感覚だった。赤松だって、足の速い外野手くらいのイメージしかなく、正直いきなり頭角を現すとは思いもしなかった。内間も見る限りファストボールが売りのようだから、期待はできる。ここまで伸びなかったのは、球種があって小器用だったからということがいえるかもしれない。
あとは、同じ野球をやっている前提であるとしても、セントラル向き、パシフィック向きというのは確かに存在する。セントラルの野球にはまって活躍するというパターンもある。内間がイーグルスで頭角を顕わさなかった理由はよく分からないが、ひょっとしたら安樂の騒動で露見したイーグルスの体質に合わなかったのかもしれない(カープがその意味でいい球団であるかという保証はいたしかねるが。)。まあ、来年の2月1日、おっというところを見せてくれればいい。
しかし、今年の現役ドラフトの結果を見るに、昨年の結果で一番爪痕を残したのは大竹耕太郎より細川成也だったのだろう。なんとなく、野手は出さないという流れになっていたのかもしれない。このままだと、せっかくの「現役ドラフト」もいずれ有名無実化するだろうなという気がしてならない。
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