インバウンドとオーヴァーツーリズム・考

昨朝早く京都に乗り込み、今日午前中の新幹線で帰広した。今日はもう朝8時半には京都駅にいたから、京都市内を駆けずり回ったのは昨日だけ。ただ、私にとって京都市は第二の故郷のようなところであるから、一観光客となっている今でも少し他の人と見方が違うかもしれない。

今の京都は、とにもかくにも外国人が多い。もともと京都は外国人観光客の多い街だが、その数たるや昔の比ではない。それにコロナ禍明けで日本人の観光客も戻ってきたから、今や右を向いても左を見ても観光客が顔を合わせているような状態だ。

しかし、京都というのは本来そんなに大きな街ではない。特に多くの観光客が「京都」といって想像する中京や下京のあたりは、はっきり言って街のキャパは小さい。そこに過剰な観光客が流れてきたら、不都合が起こるのは必然である。

とにかく、どこに行っても人が溢れているのだ。私が昨日行ったところで言うなら安井金刀比羅宮や御金神社は、もともとそんなに人の多いところではなかった。もちろんそこそこ有名な場所ではあるが、お参りするのに列をなしてということはなかったのである。

ましてや、昔から著名な場所、たとえば出町ふたばの行列は壮絶なことになっていたし、今朝の京都駅のイノダコーヒも長蛇の列。そもそも飲食店はどこも人がたむろしていて、普段使いのお客さんに影響を及ぼしてないかいささか心配になる。

今や京都に行くというのは、観光客の顔ばかり見に行くだけであって、実にイケてない所業なのかもしれない。朝から昼から、夜遅くまで観光客らしき人。人、人。まったく落ち着かない。今回は同窓会という目的があったが、かつてのようにとにかく京都の空気を吸いたい、京都に居たいという目的を達する場所ではなくなってしまったのだろう。そう思うと、なんとも切ない。

そう今やよそ者になった私が思うくらいだから、実際に京都に住んでる人はどう思っているだろうか。もっとも京都人はしたたか、悪い言葉を使うとちょっとこすっ辛いところがあるから、まあしっかりとお金落としてもらいまひょと思ってるのかもしれないが、中にはもうええかけんにしておくれよしと思ってる向きも、多いに違いない。

そう言えば、近年の京都で増えているものは和装レンタルショップである。とにかくお手軽に和装を着て京都を歩けると言うので外国人だけでなく日本人にも人気のようだ。これが和装の底辺拡大になるのならよいのだが、果たしてそう楽観的に言えるだろうかと思う。彼らにとっては結局お手軽なコスプレのひとつであって、文化的機微に触れずに終わるのがほとんどではないかという気もする。

まあね、私だって和装初心者だし、そんなに着姿が美しいかと言われると疑問なのだが、まあ彼らの着姿って安物のコスプレというか、仮装大会に近いのまでいる。リピーターになって、ならいっちょう自前の着物を着ようかなってくれれば、いいんだけどね。

話が逸れた。かつて宮脇俊三翁は、京都旅行は観光客のいない冬に限ると仰っているが、それも50年前の話になった。私もたしかにそれを実感した記憶があるが、それも30年前。比叡颪の底冷えがする京都であるが、湯豆腐を始めとしてそれなりの冬の味覚がある。今は、どうかな。

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