よそさんのことではあるが、今日ホークスは大連敗中にありがちな悲劇的な敗北を喫し、ついに12連敗となった。ホークスの連敗記録は、2リーグ分立以来初の最下位となった1969年に記録した15だが、それに近づきかねない状況である。
ホークスというチーム、戦前の南海軍の時代はともかく、1946年に山本(鶴岡)一人プレイングマネージャーとなって以来、球界屈指の強豪として鳴らしたことは説明するまでもあるまい。こと2リーグ分立になった1950年から1966年までは、順位が優勝か2位しかないというとんでもない成績を収めていたのである。まさに晴れの栄冠、輝くみどりであったのだ。
ところが、1967年に初めてBクラスになり、翌年は2位になったものの鶴岡監督は辞任し、飯田徳治監督になったわけだが、かつての南海の名二塁手であった国貞泰汎翁によると、すでに鶴岡監督はだいぶん投げていたらしい。やがてチームの規律が緩み、それが1969年に一気に出た、というのが真相のようである。それを立て直すために野村克也プレイングマネージャーを立てたものの、今度は野村監督自身がチームを壊してしまった、と話は続くが、今日の主題は南海興亡史ではないのでこのくらいとする。
2023年の福岡ソフトバンクホークスも、無敵艦隊を誇った頃から大幅に選手が弱体化したとは思わない。指揮官に擬せられた藤本博史が盆暗であるとも思えない。しかし、王者たりし頃と比べて、若干規律、と言って大袈裟なら敢えて”Discipline”と呼ぶこととするが、緩みがちなところがあったのではないかと推測するのである。
“Discipline”というと、古いサンフレッチェファンには反応していただけるだろうか。いうまでもなく、初代監督スチュアート・バクスターがまずチームに浸透させたものである。実際、ビッグクラブ偏重の日本蹴球界で最初はハナクソ以下の扱いだったサンフレッチェを上位争いができるチームに育てたのは、この”Discipline”の徹底があったからに他ならない。
で、話をそのまま現在のセントラルに移すと、私はタイガースやジャイアンツはその点で落ちると思っている。ベイスターズが一時ほど勝てなくなったのも、結局打ちまくるだけのサーフィンボーイズだからなんだろうなという気がしてならない。その段で行くと、要警戒はスワローズである。過去2年の成功体験が、チーム内に”Discipline”を与える要因たりうるのだ。
と、いうわけで、明日からの三連戦は要注意である。気を抜いて腰高で受けたら転がされる。今のカープも戦力的に万全なわけではない。幸いに新井、そして黒田が持っている求心力のおかげで、チームに一本芯が入っているように見えるだろうが、それが万一崩れたときにどうなるか。まあ、ホークスの悲劇の二の舞いになりかねないだろうな。
ちなみに、私はタイガースは伝統的に”Discipline”とは縁遠いチームだし、ジャイアンツは原タツノリくんの求心力が落ちているようにみえるので、まあ恐れるに足らずだろうと思う。ただし、禁断の「長嶋茂雄」カードが切られたときは、話は別だ。






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