はっきり言って、9回二死までの野球は、全然駄目だった。こんな試合で押し切られるようなら今年も前途多難と思っていた。しかし、結果は申し分のないハッピィエンドである。おかげで、悪かった内容はすべて消えた。残ったのは劇的逆転サヨナラ勝ちという一点だけだ。
本当に、秋山は素晴らしい。これこそスタアの仕事である。もちろん秋山のキャラ的には狙ってホームランを打つバッターではないだろう。しかし、こういうところで出るというのが素晴らしいのである。ホームラン50本打っても、ことごとくどうでもいいところで打っても尊敬されないのであって、いかに「逆転」「決勝」「同点」「サヨナラ」という冠がつくかが重要なのである。だから山本浩二という人は残した数字以上に神格化されたのだ。
そもそも野球は相手あるスポーツである。またプロとプロが対峙している以上、毎試合1回表から試合終了まで相手を圧倒できるわけがない。中にはうまくいかない日もあるし、出来の悪い日もある。でも、だから負けましたといっていたら、孫武先生ではないが戦う毎に必ず殆し、である。もちろん百戦して殆からずというわけにも行くまいが、どんなときにでも展開をひっくり返せる二枚腰が必要なのだ。
その近道は、やっぱり打力、ことに一発長打である。このことからも、勝利の近道は打力なのであり、「投手を中心に守り勝つ野球」などというのは誤りなのだ。敵の打力を封じ込めることと、敵よりも打力で上回ることのどちらが方法論として容易いか。そのことに思いを来せば十分ではないか。いや、今日のような日に嫌事を言うのはやめておこう。
ただ、ひとつだけ言うとしたら、今日の試合、野間が離脱していた。2番ライトに大盛が入っていたわけだが、1点ビハインド相手投手田口ということで、堂林が起用されたのだろう。もしここに野間がいたら、新井は代打を出せただろうか。野間は田口相手に出塁できただろうか。そう思うと、ある意味運が良かったともいえるのだ。大盛の打撃内容が極めて悪かったことも含めて。
まあなんにせよ、今日は秋山の一振りで大逆転勝利になったという事実のみ残るのだ。秋山はカープ加入後これぞ秋山という大仕事はなかなかなかったから、おそらく自信を取り戻しただろう。戸根は移籍後初勝利だし、島内もケムナも内容は良かったし、河野もようやく勝ちに貢献できたし、要するに彼らにとっても自信になったはずだ。今日の結果に大いに味をしめてくれれば、まあ面白いことが起こるかもしれない。
問題は明日だ。明日どんなに悪い内容だろうが白星を得てこそ、今日の結果が血となり肉となるのだ。まあカープは伝統的に劇的勝利の翌日に凡戦の極みのような野球やるんだけどね。
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