本物の正月から3か月、「球界の正月」から2か月。時の経つのはあっという間で、明日からついにペナントレースが開幕する。また半年にわたる長い戦いが始まるのである。
しかし、まったく高揚感は、ない。むしろ絶望感、無力感の方が大きい。まだスプリングキャンプの頃は夢を見ようかという気になったのだが、キャンプが過ぎ、オープン戦が過ぎるごとに、その気分はやがて幻滅に変わっている。オープン戦7連敗というのもそうだが、内容の酷さがそれに輪をかけた。
しかし、そういうことは、プレスはまったく報じない。在広プレスはもちろん、最近は中央プレスにもハジメの息がかかっていて、カープの現状やあり方を批判する記事はまず報じられない。だから、いまだにアライサンナラナントカシテクレルシンドロームに囚われた哀れな民が南蟹屋2丁目に向かってひれ伏している構図が見えるのである。まったくばかばかしいし、醒める一方である。ましてそれに無批判なブロガーが賛美歌を流しているが、ほんとうにくたばっちまえというまでである。
ほんとにね、4年連続Bクラスなんだよ。確かにハジメが佐々岡などと言う見え透いた盆暗を指揮官に擬し、その佐々岡が予想以上の盆暗ぶりを見せたからとはいえ、その4年間の箍の緩みや組織としての甘さは、Bクラスになってしかるべきといっていい。今年も今まで見る限り、その甘さがそのまま出ているような気がしてならない。
と、いうわけで、本当に今年は生温く見たいところである。今の私の気分は、はっきり言って新井なんかに何ができるというほうにシフトしている。実際、何もできてないやん。オープン戦見る限り。むしろ用兵だけ見たら、佐々岡と径庭ないよ。
ただ、これとまったく同じ、いやそれよりも深い闇を見せられた年があった。それは、2016年。あの年は、冗談抜きで最下位になると思った。そのくらい絶望感があったし、緒方くんにはまったく期待できなかった。でも優勝した。理由を今振り返るに、緒方くんの采配リスクを選手の個の力が上回ったからとしか言えない。その上で、黒田博樹、新井貴浩という求心力がプラスに働いたからと言ってよいのではないか。緒方くんを一つだけ評価するとすれば、その流れに水を差さなかったことだ。
だから、勝ちたければ、それと同じことをやればよい。選手の個の力を前面に押し出し、ガツガツと点を取る野球に邁進すればよいのだ。まさに三連覇を果たせたのは、攻撃野球、点を取る野球に舵を切ったからであり、それだからこその「逆転の赤ヘル」だったのだ。いまだにもの知らぬあほうどもの中には「投手を中心に守り勝つ野球」などという正体不明のものを信奉している向きも多いようだが、消えてなくなってほしい。
はっきり言って、今のセントラルの実力差は、全くないと考えている。どこも爆弾を抱えたまま戦っているようなもので、うまく爆発しないようにコントロールできたチームが生き残るんだとさえ思う。スワローズの連覇も、結局高津がうまくリスクマネジメントをしたことの結果だろうと思う。
要するに、やればなんとかなる。そのかわり、やらなきゃ最下位だ。きっと、進むも地獄、退くも地獄。ならば、進むしかないではないか。やるんだ。いや、やれ。またBクラスを二十数年間続けて球界の笑いものになるのか?それが嫌なら、やれ。出来ないのなら、仕方ない。ユニフォームを脱ごう。それが嫌なら、やれ。命まで取られるような辛いことだとは思わない。
とにかく、やれったらやれ。やるんだ。勝て。勝つんや。