髷があるからお相撲さんなのだが。

これまで大相撲は休みの日に見るくらいしか出来なかったのだが、訳あって昨年から録画して見るようになっている。これほど相撲を毎日見るようになったのは小学生の時以来ではないかと思うのだが、まあそれはさておき。どうもここ数年、ある変化が起こっているようだ。それは、髷に手がかかったとして反則負けを取られる、あるいはそれについての物言いが付くことが非常に多くなっているのである。

力士には髷がつきものなのであるが(ただし、髷が結えなくなったら引退しなければならないというのは俗説)、その髷が勝負を左右したことといえば、初代貴ノ花が対高見山戦で驚異的な粘り腰で投げをこらえたときに髷が土俵に付いてしまって負けを取られたという有名な一番くらいしか思い浮かばないくらいだ。髷をつかんだら反則負けになるというのはもちろん子どもの頃から知っていたが、はっきり言ってそうめったやたらにあるものではない、どころかほとんど見たことがなかった。花相撲で行われる「初っ切り」ではまず最初にお約束で髷をつかんで引き倒すのが出てくるのだが、まあそのくらいだった。

しかし、ここ最近やたらと見かける。今日も豊昇龍-阿武咲戦で明らかに優勢だった阿武咲の手が豊昇龍の髷にかかって反則負けとなってしまった。阿武咲はこの負けで三賞を逃した一方、豊昇龍は勝ち越して三役死守という一番となったのであって、千秋楽の泣き笑いで済ませるにはかわいそうな一番となってしまった。もちろん故意に髷をつかんで引き倒すなどということはないのであって、運悪く指が髷にかかってしまうのだろうが、どうも不思議でならない。

でも、なんとなく理由が分かるような気がする。髷が指にかかりうるもっともたる場面が、叩きである。しかも最近はもろに頭を押さえつけて叩く場面が多く見られる。それが反則を取られる結果が生じてしまう原因だろうとしか思えない。相撲の極意は「押さば押せ、引かば押せ」、ということはみんな分かっているのだろうが、どうも簡単に引いたり叩いたりする相撲が多い。それが反則が増える原因だろうと推測されるのである。

だいたい、引きや叩きが簡単に決まるからこそみんな多用するというのが正当なのだろう。逆に言えば、大型化などもあって足腰が昔より脆くなっているのではないかという推測も成り立つ。確かに近年淡泊な相撲が多いような気がするのであって、相撲に攻防がないことに実況で苦言を呈されたこともあった。立ち会いからまともに引いてごろんと転ぶ相撲が増えれば、そりゃみんな引いたり叩いたりするだろう。

ただ、最近はまた攻防のある相撲が増えているような気がする。それだけに、こういう相撲は、やはり興醒めだからなんとかなくしてほしい。どうせ髷が問題になるなら前述の初代貴ノ花ではないが、髷が土俵につくとかつかないとかいうレベルであってほしい。まあそんな相撲はまた怪我の元というのが悩ましいのだが。

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