何かと話題になっていた「現役ドラフト」だが、当初の予想に反してそれなりの選手が動いたということで一定程度の評価をされているところである。まあ球団側としても、いきなり戦力外候補の見本市になったら批判を浴びかねないということかもしれない。笠原祥太郎や大竹耕太郎、細川成也がリストアップされるというのは、ある意味予想外だった。
そこでカープであるが、案の定正隨優弥だった。これはやっぱり下の下としかいいようがない。既に書いたとおり、今のカープは火力に不安があるのだから、火力を持っている選手をリストアップするなんてあり得ないことだ。まったく何を考えてるのかと思う。現役ドラフト第1回に協賛したのかもしれないが、それならもっとほかの立ち回り方があっただろう。
今回の「現役ドラフト」のリストアップの選定及び選手の指名に、現場の意見がどれほど反映されているかは分からない。しかし、この球団は相も変わらず火力軽視のつまらない野球をやろうとしていることが分かったのが残念だ。もの知らぬ一部自称ファンたちがそれに歓呼の声を上げていることがもっと残念だ。
それにしても正隨、地元で一花咲かせることが叶わなかったことは残念かもしれないが、正直なところカープのカス首脳陣に干されていたことは否めない。それなら、外へ出てカープを見返してやればいいではないか。イーグルスの環境が彼にとっていいかどうかは分からないが、心機一転頑張ってほしい。
そこでカープが獲得したのは戸根千明。京田辺市育ちではあるが高校は石見智翠館高校と準地元である。カープにはいないパワー型のサウスポーで、三振奪取率も高い。ここまで大ブレイクできなかったのはやはりコントロールに難があるからだろうが、むしろ先発で生きるタイプかもしれない。ここは建さんに任せてみたいところだ。
しかし、本当にカープのこういうところでの立ち回り方は下手くそだ。それに、カープのやってることは補強じゃない。補充、いや他球団への施しだ。ほんと、バッカみたい。
サッカーW杯で一推しのブラジルがベスト8で敗退という波乱。といってもライヴもハイライトも観ていない。グループリーグで見飽きてしまった。そしてNPBの現役ドラフト。こっちはさらに興味がない。
どうもここ1~2年、受動的趣味の関心が薄れ、スポーツ観戦する頻度が極端に減っている。スポーツに限らず元々テレビを観る習慣がない。スポーツ観戦や音楽鑑賞を含め受け身の趣味って、しょせん他人がやっていることで心底感動する感覚が能動的な活動と比して浅い。
大学在籍中、学問と並行し合唱歌手として2,256人キャパのオペラハウスの舞台に立っていた。一度でも満席2,256名の聴衆から万雷の拍手に包まれる快感を味わうと、身贔屓のスポーツチームが優勝する感動なんて一瞬で薄っぺらい感覚でしかない。聴衆と一体化しボルテージが高まる体感は何ものにも代え難い。
感動を得る手段は何も音楽活動に限ったことではない。主体的に取り組む業務に没頭することで快感を得る場合もある。ボランティア活動で感動するシーンに遭遇するケースもある。身贔屓のスポーツチームや音楽家が活躍し頂点に立っても、しょせん他人事。共感できても感動しても一瞬でさめてしまう。それが悪いこととは思わないけれど残り少ない人生、極力主体的、能動的活動による感動を脳裏に刻んで散りたい。