いつまでのカープのことばかり書いていたら疲れそうだし、そもそも弊ブログはそんな目的で設立したものでもないので、たまには息抜きで音楽ネタでも不定期で書いてみたいと思う。まあ、標題にはずいぶん歌の歌詞にはお世話になっているところだが(そのまま引用していたりもするしね。先日ではこれなんかまったくそうなんであって。)。
で、そんなことを思い立ったのも、広島ゆかりのユニットであるPerfumeの活動休止、彼女たちの言葉を借りれば「コールドスリープ」が発表されたからである。「ポリリズム」で彼女たちを知って以来しばらくよく聞いていたこともあって、思い入れのあるアーティストだったこともある。近時は広島にかえってきて特番を持ったりもしたので、いささか唐突な感じもしている。
ところで、Perfumeというアーティストは、私の中での”Singer”という分類には入れられないと思っている。いうまでもなく、彼女たちはライヴで生歌を披露することが出来ない。彼女たちの声にもエフェクトがかかっているためなのであって、ライヴでの彼女たちはすべて口パクだ。それはプロデューサーである中田ヤスタカの方針だし、その一方でダンスパフォーマンスと映像エフェクトで魅了しているわけではあるが。
なので、私は彼女たちの歌をあくまで音楽パフォーマンスとして扱っていた。まだ「ポリリズム」あたりの頃は生声に近かったが、最近はエフェクトがかかりすぎて素直に楽しめなくなっている。ということもあって、ここ十年近くはあまり一生懸命聴いていなかった。まあ、それはあくまで個人の趣味の範疇の戯言であるから、それを人様に押しつける気は、全くない。
ただ、ひとつだけ疑問に思っていた。彼女たちは心の中でどう思っているのだろうか。彼女たちは適当に選ばれてアイドルに擬せられたわけではない。広島アクターズスクールで鍛えられた精鋭である。自分の声で歌いたいと思っているのではないか。それで観客を魅了したいと思っているのではないかとずっと思っていたのである。
それに対するひとつの回答かなと思ったのは、2022年の紅白歌合戦、「チョコレイトディスコ」を披露したときである。これも比較的初期の曲なのだが、さびの部分で「ディスコ!」という生声での叫びが聞こえた。きっと最近のエフェクトバリバリの曲ではなくてこんな歌をもっと歌いたい、出来れば生声を届けたいという思いのようなものを感じたのである。
もちろん、多くのPerfumeのファン、それはドメスティックなものにとどまらないのであるが、彼らがそれを求めているかどうかは分からない。歌詞の世界とか歌声の持つ感情というものを極限まで薄くして、ダンスや映像パフォーマンスで見せるからこそ多くのファンを獲得したと言える。そして、所属事務所の悪名高いアミューズがそれを許すことは、まあ考えづらい。
あくまで推測にすぎないが、彼女たちはそんな今のスタイルを心底から納得していなかったのではないか。有り体に言えば演ずることに疲れたと言えるのではないかと思うのである。もちろん、人気が落ちたときにそれをやるのは簡単だが、それは今度はアーティストとしての死を意味する。なので、今こそいったんやすみとしては適切な時期だと思ったのではないか。
栄枯盛衰の激しい芸能界で、それが必ずしもよい選択であるかどうかは分からない。事実、活動休止をして戻り、以前と同様に人気を得ているのはいきものがかりくらいだろう。ただ、Perfumeの強みは、彼女らには戻る場所があるということだろう。いうまでもない。広島に帰ってくればよいのだ。もちろん、かつてのご当地アイドルとしてではなく、圧倒的な知名度を持つ人気者として。
まあ、それを彼女たちが受け入れるかどうかは分からない。ただ、世界のPerfumeからかつての「ぱひゅ~む」に戻って、のびのびとやらせて上げたいという思いも、一方であるのだ。もっとも、受け入れることができる事務所があるわけではないのだが。西田篤史存命だったらね。






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