今日の日本シリーズ第5戦は、近年のシリーズの中でも屈指のバカ試合だったと思う。勿論虎党にはカタルシスになったかもしれないが、別にノムカン君が捨て身の手を打ったのが嵌ったわけではない。はっきり言って、中嶋の自爆テロだ。しかも大失敗作としての。部外者にとっては実につまらない試合だ。
ひとことでいうと、中嶋は試合の流れを読み損ねたというべきだろう。昨日辺りから少しずつシリーズの風向きが変わり、終盤に点が動くようになった。それなのに、この第5戦でも中嶋は少ない点を投手力で守り切るという野球に固執して逆ねじ喰らわされたのである。これは悲劇でもなんでもなく、どこにでも転がっている退屈な凡戦に過ぎない。
対してノムカン君はどうか。彼の野球は一貫している。いや、あまりにもオーソドックスすぎる戦術のまま座っているだけで、少なくともこのシリーズの間は空気が勝手に変わって行っているに過ぎない。第4戦の湯浅投入くらいか。流れを変える一手といえば。
と、いいわけで、シリーズを戦っている両監督が通俗的な意味でさえ「名将」と呼べるかどうかは、些か疑問である。特に中嶋は、パシフィック三連覇という実績を残したということで大いにその名を恣にしているのだが、さてどうだろう。もちろん結果を残したという点ではそうなのだが、戦術面でも戦略面でも優れているかと言われれば、疑問なしとしない。
大阪近鉄バファローズがオリックス総帥の手により崩壊させられて以降、バファローズの試合への熱量は失われているので全試合チェックしているわけではないのだが、中嶋聡という人は、正直平凡な監督さんに過ぎないと思っている。ただ、俗に「ナカジマジック」などと言われる如く、戦術の臨機応変さはある人だろうが、作ったチームは専守防衛的なつまらないチームである。ただ、全般的に打力低下の傾向にある今のパシフィックに嵌ったというのが正当な評価ではないか。
要するに、少々勝ったくらいで「名将」などと持て囃してはいけないのである。優勝を続けることにはそれなりの理由はあるにせよ、それが監督の手腕であるということとは必ずしも繋がらないのである。いたではないか。三連覇したけどある程度監督の手腕が問われるポストシーズンゲームでは箸にも棒にもかからない結果しか残さなかった人が。
なので、来シーズンまず優勝を目指す新井君は、中嶋やノムカン君の真似をしてはいけない。そもそも君はまだまだ監督として名を成さしめるような顔じゃない。もし真似るなら、古葉さんか上田利治さんだ。それか、戦術は藤井に任せて自分は賑やかしに徹すると開き直るかだね。






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