死球を食らっても棒に振る好機。野間無価値論と、怠慢生還・坂倉将吾の「心は既に他球団」

スポーツ

相手の自滅に助けられて拾った勝利。しかし、その裏に残ったのは極めて後味の悪いモヤモヤ感だ。勝田成への頭部死球に対し、気迫をもって結果でやり返せない不甲斐ないチーム体質に苛立ちが募る。
代打の勝負所で名前すら挙がらない野間峻祥の存在意義を問うとともに、代走新記録を樹立した辰見鴻之介への注文、そして9回表に慢心剥き出しの怠慢走塁を見せた坂倉将吾の冷めた態度をぶった斬る。勝利に浮かれるファンを他所に、組織の底に潜む深甚な闇を告発する。

死球への気迫すらなき「ぶつけられ損」と、野間峻祥の無価値

勝ちはしたものの、非常に後味の悪い試合だった。何より勝田成の頭部にぶつけられた死球が腹立たしくてならない。もちろん投手が故意に狙ったとは思わない。そんな精密なコントロールがあるなら、あのような展開で登板してはいないだろう。私の腹立たしさの矛先は、他ならぬカープベンチに向けられている。なぜあのイニングに怒りを気迫に変え、徹底的に点を取りきれなかったのか。それが情けなく、哀しくて仕方がない。

はっきり言わせてもらうが、これでは完全に「ぶつけられ損」である。今日の勝田は非常に素晴らしいバッティングを見せていただけに、相手バッテリーもインサイドを印象付けて威嚇し、少々ぶつけるリスクを冒してでも突いておこうと踏んだのだろう。だからこそ、やられた側は結果でやり返さなければならない。何も相手にデッドボールを当て返せというのではない。死球で出た走者を確実にホームへ還し、圧倒的な点差を付けて引導を渡すことこそが最大の抑止力になるのだ。

しかし、チームはチャンスを作りながら無得点で終わった。これが無惨でなくて何なのか。さらに9回表には佐々木泰までもが死球を浴びた。これもすっぽ抜けの類だろうが、相手に気楽に内角を突かせてしまう舐められた空気が充満している証拠だ。最終的に石原貴規のタイムリーで最低限の返礼はしたものの、満塁の好機で名原典彦が初球を打ち上げて終わる姿には到底納得がいかない。

そもそも、あの場面で代打に立つべきは左打者だろう。戦略上、捕手の持丸泰輝を残したかった意図はわかるが、ならばこんなお誂え向きの場面で名前すら挙がらない野間峻祥の存在意義とは一体何なのか。要するに、ゴミクズ以下の価値しかないことが証明されたに過ぎない。使わないなら一軍に置くなという話だ。こうした勝負所でベンチの信用を得られないベテランや、二軍で存在感すら示せない若手の惨状を見るにつけ、私はどうしてもエトミデート疑獄という闇と結びつけずにはいられない。

相手の自滅で拾った辛勝と、辰見鴻之介への「喝」

勝ち星こそついたものの、「それが一体どうしたというのか」というのが本音だ。結局のところ、今日は長いトンネルから抜け出せない吉村貢司郎の不出来と、制球の定まらない丸山翔大の自滅に助けられただけに過ぎない。もし相手が勢いに乗るベイスターズあたりであれば、間違いなく試合をひっくり返されていたはずだ。控えめに言っても「勝たせてもらった」試合であり、ありていに言えばただの棚ぼたである。

もちろん、僅かではあるが讃辞も述べよう。中村奨成に待望のホームランが出た。状態が良い時期に待望の1本が出たことは大きく、ここから2本、3本とアーチを重ねていく弾みになるはずだ。9回表のタイムリーも見事な仕事だったが、これは盗塁を決めた辰見鴻之介の功績が大きい。走者が1塁のままであればただのレフトフライだった打球が、辰見の足によって相手レフトの守備位置を狂わせ、頭上を越える長打となったのだ。

その辰見は代走での盗塁成功数NPB新記録を樹立し、記念プレートを受け取っていたが、私に言わせればまだまだ甘い。かつての記録保持者である「近鉄特急」こと藤瀬史郎さんは、代走専門でありながら打席に立ってもそれなりの働きを見せる選手だった。西本幸雄監督率いる猛牛打線の層が厚かったからこそ打席数が限られていただけである。今の辰見の打力であれば、藤瀬さんのような極限の精度を目指してもらいたい。ちなみに藤瀬さんが記録を打ち立てた際の盗塁成功率は30回中27回成功、すなわち「.900」という驚異的な数値である。

坂倉将吾の怠慢走塁に見る、冷めた未来

最後に、ハリさんではないが、ひとつ強烈な「喝!」を入れてでおきたい。9回表、坂倉将吾が本塁へ生還したシーンだ。判定こそセーフだったものの、自分で勝手にセーフと決めつけ、スライディングすら怠って滑り込んだ姿は断じて許されない。もし相手からの返球がコンマ何秒か早ければ、クロスプレイで簡単にアウトへ覆っていた可能性のあるプレイだ。

この場面には、現在の坂倉が抱える「気の抜け感」が如実に表れていた。確かに2試合連続で先制タイムリーを放ってはいるが、本来の打力からすればもっと打ちまくって大楽勝の展開を作っていなければおかしい。チームを牽引すべき立場で最後にあのような慢心プレイを見せるとは、呆れ果てるほか批判のしようがない。

まあ、裏では既に来期の行き先も決まっていて、今のカープで野球をやる情熱など微塵も残っていないのだろうがね。

勝たせてもらっただけの1勝に満足し、危機感も気迫も失ったプレイを放置し続けるベンチの姿は、今のカープという組織の歪みを象徴している。頭部死球への怒りすら得点力に昇華できず、ベテランの怠慢を野放しにするチームに、一体どのような未来があるというのか。
チームの倫理観も勝利への執念も崩壊したままでは、ファンを満足させるどころかプロの興行としての体裁すら保てない。既に来期の行方を見据えて白けているような選手たちのプレイを、私はこれからも冷ややかに、そして容赦なく記録し続けていく。

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