Requiem for HITOSHI MATSUMOTO parsⅡ

昼にはあまりにも柄にもないことを書いたので、夜は通常運転で行こうと思っていた。しかし、思わぬタイミングで彼に対する報道が出てしまったので、予定を変更して続編を書きたいと思う。

松本人志が週刊文春の報道を受けて窮地に立たされていることは御承知のとおりだ。これについては私は踏み込まない。私は神ではないから、正確な記録に当たらない限りジャッジすることは不可能だからである。だいいち、そういうことに興味もない。敢えて言うとしたら、報道が正しかったらもはやパブリックな存在としてはアウトだというくらいである。

といったところで、今しがた松本人志が週刊文春との裁判が終わるまで芸能活動を休止するとの発表が吉本興業からなされた。私はこれを見てああついに白旗を揚げたかと思ったのくらいだが、世間の受け止められかたは違うようだ。やはりメディアリテラシィ能力の低い者が多いとおぼゆる。なので、これをバッサリと切り刻んでみたいと思う。吉本はこれで世間を騙せると思っているのかもしれないが、私に言わせればツッコミどころ満載だ。

まず、この報道がスポーツ紙媒体だけでなく、キー局ニュースや新聞のウェブ媒体でも同時に垂れ流されているところである。これを妙だと思わないようならものを言うのをやめた方が良い。はっきり言うが、たかが松本人志である。彼が芸能活動休止したところで、少なくとも一般紙が速報対象にすること自体変だと思わなければいけない。

しかも、示し合わせたかのように吉本興業の記者発表全文が垂れ流されているうえに、各ニュースの内容も似たり寄ったりである。速報だから仕方ないと言えば仕方ないが、何か独自考察のひとつもないのかと思う。すなわち、こういうときは、要するに吉本興業に逆らえないんだよねと思わなければいけない。このネタに関しては。

各媒体、特にスポーツ紙が吉本興業に逆らえない理由はふたつある。ひとつは、吉本興業に睨まれると他の人気者を出してもらえなくなって困るという構図である。これについては旧ジャニーズやバーニング、秋元グループと同じである。もうひとつは、はっきり言ってこれが重要なのだが、吉本興業の裏に有力政治家がいると言うことだ。このふたつが相まって、いわば「花菱タブー」ができあがっているといっていい。

吉本興業的には、なんとか文春サイドと戦う姿勢を見せて、プレスを分断、早い話が文春を孤立させたいと思っているのだろう。そのうちに政治家が動いて握りつぶしにかかってくれるという腹かもしれぬ。それで松本人志の芸能活動休止を「名誉ある撤退」、あるいは貴種流離譚のように見せたいのかもしれない。そんなのもはや衣の下に鎧が見えているようなものなのだが、案外騙される莫迦は多いようである。しょせん松本人志を下げた理由は、広告主である企業サイドから忌避されたからにすぎないけれども。

もうひとつのツッコミどころは、いかにも松本人志が裁判に主体的にかかわるかのように報じられていることだ。これはもう噴飯物だ。まさか松本人志が本人訴訟をやるわけではあるまい。作戦を練るのは弁護士である。もちろん主張立証を尽くすために松本人志本人から弁護士が事情を聴くことは当然だが、だからといって芸能活動を休止してまで注力するようなことではあるまい。要するに、理由になっていないのだ。

本件を私心なく見るだけで、このくらいのツッコミどころがでてくるのである。昼間に書いた前編のとおり、私は松本人志は笑いの芸人としてはとっくに終わっていると思う。それがいかにも王様然とできていた理由が、こういうところからも見える。所詮は砂上の楼閣、張り子の虎だったということだ。しかし、自分の身から出た錆のおかげで自分でとどめを刺したようなものである。本人がどう思っているのかは知らないが。

そして、一番醜悪であるといっていいのは、いまだに吉本興業は、そしてそれに群がっている有力政治家は、松本人志を利用しようとしているということだ。あんなのさっさと切り捨てりゃいいのにと思うが、切り捨てられない事情があるのだろう。ひょっとしたら、松本人志とかその取り巻きと有力政治家の中でも上の方とズブズブな関係があったりしてね。だから切れない、のかな。

この問題が、今後どのように展開するかはわからないし、私には興味がない。ひとつだけ言えるとしたら、ひょっとしたら吉本興業という大王朝が倒れる、といってオーバーなら社会的信用が落ちる一歩手前に来てるのかもしれない。戦後の吉本興業の隆盛を作ったといっていい故笑福亭仁鶴翁などは、天上界で今頃何を思うだろうか。

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コメント

“Requiem for HITOSHI MATSUMOTO parsⅡ” への1件のコメント

  1. Seniorのアバター
    Senior

    仮に松本人志の言う事が事実なら
    三文週刊誌に対して廃刊にするくらい
    徹底的にやってほしいね。
    まあ今の地点でどちらかを擁護するとかはないが
    事実無根ならあまりにも酷い内容やね。
    これは芸人人生を終わらせるくらいの事案だから今後の為にも徹底的にやっていただきたい。
    まあ事実なら松本人志自身が身を引くでしょう。
    しかし三文週刊誌文春はホンマに汚い。
    他人の人生なんかどうでもよく自分達さえ儲かればええですからね。
    迷惑系YouTuberと何も変わりませんわ。

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