今、どうしても食べたきもの。

あまからAvenue

世間的には今日はゴールデンウィークの最終日ということのようだが、根が不真面目な私はもう1日休暇を取って6連休としている。したがって、まだ明日があるさの状況だ。と、言うわけで、普段はこんな連投はしないのだが、もう1本書くこととする。

さて、去る5月3日から4日にかけて、高速バス往復の突貫ツアーをしてきた。目的は姫路で行われた世話になった先生を囲む会で、そこに明石の名店「トラットリア・チーロ」でのランチをはめ込んだら、事故渋滞のせいで泣く泣くキャンセルせざるを得なかったのであるが、それはさておき。

この度は、あえて土産を買って帰るつもりはなかった。もちろん姫路銘菓「玉椿」も神戸銘菓「瓦せんべい」も大好きなのだが、その気になれば買えるものだから特にこの機会に、というものでもない。以前紹介した尼崎にあるヒノデ阿免本舗の水飴もそうで、しばらくその近辺に行く用事が続くからいつでもという思いがあって、結局店に行かなかった。

しかし、ひとつだけ目に入ったものがある。それは、この時期の播州名物、イカナゴの釘煮。思わず手が伸びかけたのだが、やめた。その理由はこうだ。

毎年この時期になると、いつも亡母がイカナゴの新子を仕入れて釘煮を炊き、送ってくれていた。これはもう、口に合わないわけがない。それでも最初はそんなに好きなものでもなかったのだが、年齢を重ねて味覚が変わってくるにつれて、欠かせないものとなった。もちろん最近は時期になるとスーパーなどでも扱ってくれているのであるが、やはりそこは「目黒の秋刀魚」なのである。

しかし、難病に冒されていた母はやがてなかなかそういう手間のかかることができなくなった。そして2014年5月8日、ひとりで旅立ってしまった。もはやあの味の再現は不可能になったのである。

実は、今回土産物屋で見つけたイカナゴの釘煮は、なかなかものも良さそうだった。その分お値段も良かったが、それでも買いたいと思わせるものだった。しかし、最後の最後で手が伸びなかったのは、やはり亡母の味の記憶がそうさせたのだろう。味覚というのは最後まで徹底的にドメスティックなものであるから、やむを得ないのだろう。

もう母の作る料理が私の記憶の中にのみあるようになって、もう9年になった。明日はその母の命日。普段は雑事に紛れてそんなことなど思わないのだが、あのイカナゴの釘煮が目に止まったからか、せめてレシビだけでも聞いとけばと思っている。娘が栄養の道を志し、いろいろ作るようになったからなおのこと思う。

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コメント

  1. Иван Иванович より:

    確かに母没後、イカナゴの釘煮、なぜか出来合い物を買ってまで食べようとは思わなくなった。故母は20~30キロ炊いて親戚・知人へ全国発送していたなぁ。中には春になれば、イカナゴの釘煮が届くのを心待ちにする人が居たりする。
    うちのパートナー(一応性別はfemale)は単身赴任で必殺仕事人として慌ただしくしているので、そもそも料理を作ったことがない。自家製イカナゴの釘煮は母の代で途切れてしまった。

    さて、4月の休日出勤代休を消化していないので、15日まで休むことになる。GW、盆正月の人出が多い時期は遠出せず、ガラガラの都会(地元)で普段気付かない楽しみ方を新たに発見したり・・・のんびりすることに決めている。かといって大型連休を外し計画的に旅行をするタイプではない。思い立ったら仕事をサボってでも遠出をしたりする。とりあえず現在の心境は、芝桜を眺めるために網走郡大空町の東藻琴芝桜公園へ飛ぼうかな、と。10ヘクタールに及ぶ山の7割に、8年かけて一人で芝桜を植え付けしてきた故中鉢末吉氏の物語に惹かれる。これぞ本物の職人。7年ぶりになるかなぁ。ここを訪れる時は何もせず、1日中ぼんやりショッキングピンクの芝桜を眺め、堪能すれば女満別空港からひとっ飛び帰路につく。それだけ。
    日常が15連チャン出勤が急遽発生したり不規則なので、せめて旅する時は短時間でせわしなくアチコチ巡るようなバタバタ感は避けたい。非日常の旅ぐらい、効率や付加価値を忘れ、ひたすらボーッとしていたい。

    まあ、年中休日モードのボンクラカープは、もっと本気になって働いてもらいたいけどねえ。

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