指名打者の正しい使い方指南します。

ハジメが指名打者制を毛嫌いしているからかどうかは分からないが、カープはどうも指名打者の使い方が下手だし、ファンを自称するものも分かっていないと思う。そこで、ある程度パシフィックの野球を見てきた私が、その使い方を教えたいと思う。刮目して見るべし。

最初に注意しなければならない。指名打者には守りに難がある強打者が入るというのは、昭和の野球である。確かに昔はカドさんとかチャーリー・マニエルとか、そんな起用法が主流だったし、今でも決して間違いとは言えない。しかし、最適解ではない。だから、喜んで松山なんか使うのは愚の骨頂である。

今のオーダーで見ると、まあ誰でも考えられそうな線で行くとファビアンだろう。なるほど守備に献身性はあるが下手なのは間違いないから、守らずに使えるならそれに越したことはない。問題は、代わりに誰を使うかだ。ここで野間とか大盛とかでお茶を濁すから、失敗ばかりしていたのだ。もちろん、オフェンスの強い選手であるべきだ。

しかしながら、それも最適解ではない。蓋し、いま一番試すべきオプションは、指名打者坂倉である。いや、そのくらいなら誰もが思いつく。問題は、代わりの捕手に誰を使うかだ。會澤磯村は論外の外である。石原でも生ぬるい。ここは髙木か清水でなければならない。なぜか。

なんと言っても、赤ヘル百年の計に鑑みれば、捕手の現代化は喫緊の課題である。今の坂倉がどうこういうより、ハジメの仕打ちのせいで、坂倉のFA流出は不可避だ。そしてその頃には、會澤も磯村も老朽化してしまっている。石原だけだとちゃっと脆い。だから、もう髙木や清水の英才教育には遅すぎることがないのだ。

もちろん今年だけで見ても、坂倉のディフェンス面に陰りが見え始めている。なにより、スローイングが明らかに怪しい。どうもこのところ坂倉がどんどん走られている姿を露呈しているし、もちろんパシフィックはそこをガンガン突いてくる。となると、そこをカバーすることは必須なのだ。

石原は確かに昨年の盗塁阻止率は良かったが、今年はまだ万全とは言えないようだ。となると、髙木や清水に懸けてみる手も十分にある。特に清水の強肩は見てみたいところだ。しかし、下等霊長類にはできないだろうな。

別の観点からいえば、交流戦をうまく立ち回っているチームは、うまく戦力をターンオーヴァーさせながら戦っている。いわば、交流戦専用機を作るのだ。その観点からも、私の見解は合理性を有しているのだ。しかし、カープもうまくターンオーヴァーさせればいいのにとずっと思ってみているのだが、ハジメが選手起用に口を挟んでいる現実では兵の合理的運用もできないのだろう。

というか、これまでのカープの指名打者制運用を見ると、ここでも守備絶対主義に陥っているとしか言えないのだ。だから、指名打者制によりかえってオフェンスの威力が落ちるという逆転現象が起きている。矢野みたいなバット持たせりゃリトルリーガーを重宝しているだけのことはある。

そんなディフェンス狂信主義者が支配するカープ界隈だからこそ、私見はおすすめなのである。なんと言ってもキャッチャーというのは、現在においてもディフェンス重視で使用することが許されるポジションだから。何度もいうが、ショートが守れればいいという野球はとっくに駆逐されているのだ。

と、ワルクチ含めて書いてきたが、一応カープのことを思って書いたつもりだ。早速明日からは京セラドーム大阪である。相手が九里亜蓮ということでも注目されているが、下等霊長類が現状打破にどんな手を打つかというのを、生暖かく見つめたいと思う。まあ、期待できないけど。