ダンディズムが星になった夜に

おもひで

しつこいようだが、このところの時間外勤務地獄には辟易していて、昨日も夜の帳が下りてからの帰宅となった。そんなこともあってか、昨日は横になるとあっという間に寝落ちしてしまった、それを繰り返すこと数回、気がつくと3時半という始末だった。ところが、今日は珍しく業務がスムーズに捌け、久しぶりに夕暮れ時に帰宅の途につくことが出来た。予定では明日もそうなるはずなので、少しは疲れが取れるかもしれない。もっとも明後日は地獄が待っているのだが。

そんなこんなだったので、昨日はとても更新どころの騒ぎではなかった。まあ書こうとしてもたいしたネタもなかったのでどうでも良い。敢えて言えば紅白歌合戦の出場歌手が発表になったくらいだが、まあどうでもいい。歌というものは畢竟嗜好品であり、それゆえに人の心に潤いをもたらすという持論から言うならば、もう半分くらい私の口に合わなくなっている。でもそれ以上でも以下でもない。いやなら、見なければいいだけのことだ。

昭和歌謡を大晦日にじっくり聞きたければ、テレ東の「にっぽんの歌」を見ればよいが、今は生放送ではないらしい。昨年は紅白と並行して「ももいろ歌合戦」を見ていたのだが、今年は昼番組になって19:00終了らしい。いろんな歌手が出てしかもフル尺で歌うことが売りなのだが、何か事情があったのか、それとも妨害を受けたのかは分からない。昼間見ればいいだけのことだが、なんか面白くない。

何でも紅白はこれから追加招集があるらしいので、何かアッと驚く為五郎があるか生暖かく見たいと思う。今のところの興味が合うrとすれば、石川さゆりが「能登半島」を、坂本冬美が「能登はいらんかいね」を歌わせてもらえるかどうかだ。でも、やっぱり能登関連は水森かおりなんだろうな。きっと。芸能界のドンの意向なんだろうが、「津軽海峡・冬景色」か「天城越え」、「夜桜お七」しか歌えないんだろうけれども。

そんな今日、相撲解説者だった元横綱北の富士勝昭さんの訃報が流れた。大相撲中継を休場してから長くなっていて心配していたのだが、やはり九月場所後に体調を崩して入院されていたらしい。私はもちろん現役時代の記憶なぞあろうわけもなく、覚えているのは審判長として睨みをきかせていたころと九重親方として千代の富士、北勝海の両横綱を擁していたころくらいである。しかし、優勝10回だから一流横綱と言って差し支えあるまい。

解説者北の富士になってからについても、さしたる好角家でもない私が語る余地はない。ただ印象に残るのはとにかくダンディであったことだ。もちろん見てのとおり私など及びもつかない男前だからと言うのもあるのだが、何着ても似合うのである。和装の姿があまりにも有名だが、ジーンズなど着てもしっかり似合うのだ。傘寿前後になっても。こういう年の取り方をしたいと真剣に考えている。

和装について言うと、私が和装がいいなと思うようになったきっかけのひとつが北の富士さんの和服姿だ。北の富士さんの着姿があまりにも決まっていたので、是非自分もと身分不相応にも思っていたところ、さることから呉服屋との縁が出来て今に至るのである。着道楽の道はあまりにも遠くて深いから、極めるのは難しいしそもそも金が続かない。その意味では因果な趣味を持ってしまったと思う。

それはさておき、北の富士さんの他界で、古い時代の力士や相撲界を語れる人がいなくなってしまった。横綱だけで見ても、琴櫻(先代・現琴櫻の祖父)、輪島、北の湖、若乃花(二代目)と鬼籍に入り、存命では三重ノ海さんが最高齢となった。もちろん人に寿命がある限りやむを得ないことなのだが、広島においてももう古い時代の話ができる人がいなくなってしまった。国貞泰汎さんが店を閉められ、水沼四郎さんの店もなくなり、高橋里志さんも鬼籍に入った。国貞さんの店で昔のパシフィックの話を聞かせてもらったときは、極上のひとときだったんだけどな。

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