家貧しからざるからこそ孝子出ず。

よく「家貧しうして孝子出ず」というが、少なくともプロの世界では嘘だ。そんなのカープの「失われた二十余年」を思い返せば明らかなのだが、今日の試合などまさにそうだ。アドゥワ誠、森翔平とカード頭にローテーションの軸の投手以外を投入しても結果を出したカープと、そもそもローテの駒が揃わないベイスターズの差が出たのだ。

申し訳ないが、如何に今のカープのオフェンスが、総合的な火力が弱くても、今の森唯斗なら打てる。あとは玉村の立ち上がり如何だと思っていたし、事実あまり良くはなかったけれども、何とかしのいである間に先に森唯斗が崩れて、試合はケリが付いた。あとは、最近とみにピッチングに誠実さを増した玉村のピッチングを見守ればよかったのである。

とにかく、これで2試合連続完投なのであって、ギリギリとした順位争いの中で、1試合を投げ抜くスタミナが付いたことは大きい。しかも中継ぎ陣を休ませることができた。とはいえ、酷暑の中投げ続げたことも事実だから、もう一度休ませて、来たるべき9月戦線にガス欠を起こさないようにすれば良いだろう。

オフェンスは、今日は相手関係上力の差がある中よく仕事したと思う。先日は16安打6得点というもの足りぬ結果を残したが、今日は二桁得点で、文句のつけようがない。あとはエース格の投手のときにそれができるかだが、まずは明日である。東克樹を引きずり下ろして勝てれば、もう一つ先に進むことも、不可能ではないだろう。

さて、今日も起用された中村奨成たが、昨日と比べたらだいぶん良かったと思われる。積極的に振っての2安打は良かったし、凡退した打席も内容は悪くないと思う。2打席目のツーベースヒットは、ようやく取り戻してきたようだ。でも、まだ褒めない。中村奨成ならもっとやれるはずだ。これから失ったものを取り返す戦いになるのだ。もっともっと、自分をくさしてきた者どもを見返していかねばならないのだから。