あくまでよそさんのことではあるが、山川穂高のFA移籍に伴う人的補償選手の指名をめぐる騒動が、混迷を極めている。いや、甲斐野央が指名されたということで解決しているが、なんでこんなことが起こったのかという憶測は、諸説飛び回っているところだ。
客観的事実として正しいのは、指名当日朝に日刊スポーツが和田毅を指名すると報じ、一部の媒体もそれに追随したことだけだ。しかし、なんでこんな情報が出たのかという疑問はある。そもそもこういう情報の管理は球団としては厳重にしておかねばならないはずだ。でも、情報を知っている関係者がニッカンの記者に漏らした可能性もあるからなんともいえない。
それにしても、和田がごねたのかホークスファンの大ブーイングに球団当局がびびったのかはしらないが、そんなことで指名選手が差し替わるのだったら、人的補償の意味がなくなってしまうだろう。さらにいえば、甲斐野はそもそもプロテクトされていたという情報もあって、そうだとしたらプロテクトの意味ってなあにということにもなるだろう。どういう事情があったかは知らないが、少なくともホークスの球団当局の打った手は下の下だったといわざるを得ない。
正直に言って、これはFA制度そのものの公正さを疑わしめるものである。いや、FA制度などもうタンパリングが常態化しているのであってはっきりいて不公正の極みのような制度なのだが、これでダメ押しになったと言う方が正当か。今回は和田の身代わりが甲斐野だったからまだよいかもしれないが、これを先例として人的補償で指名された選手の差し替えを目論むチームが、きっと出てくるだろう。
そもそもプロ野球ファンの頭の弱いところは、FA制度導入に際し「選手の職業選択の自由」という言葉に飛びついてしまったことである。これはもうアホかといわざるを得ない。日本のFA制度はただの一部選手の特権である。特権と権利の区別もつかないような輩は権利を語るなといいたい。だから、今回の問題でも、人的補償制度が問題だとぬけぬけと抜かすあほうがでてくるのだ。
はっきり言って、1993年からのドラフト制度の改悪や2004年の「球界改編」騒動の時の一部プロ野球ファンを名乗るものの言辞は、聞くに堪えないというか、アホの見本市のようなものだった。こういう輩は声だけは大きく、しかも結論が覆されてもまったく反省をしない。だから、そのときに大声で体制派バンザイを叫んでいた輩が、また訳の分からないことを叫んだとしても、不思議ではない。
私見だが、NPBの構成やら日本のアマチュア球界の体質からして、ドラフト制度は絶対必要、アメリカ流ののFA制度は不必要だと思う。もし選手の選択の自由がーというなら、サッカーのように各球団がアカデミーを持ち、カテゴリーごとに競う場を作ればよい。でも、そんなの腐りきったアマチュア球界、特に高野連が絶対に許さないだろう。だいたい高校野球なんてもっとも奴隷拘束的な世界であって、一番その改善に声を上げなければなるまいが。
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