時刻表復刻版の旅;新幹線前夜

なんかカープとかサッカーの話ばっかりするのも疲れるから、ここらで鉄道の話でもしたい。先日も書いたとおりJTBパブリッシング社の「時刻表復刻版」シリーズを手にして以来、また焼け棒杭に火がついたがごとく鉄道趣味に傾倒している自分がいるのだが、今日は↑を取り上げたい。1964年9月号である。

このシリーズは国鉄の白紙ダイヤ改正などエポックメイキングな号が取り上げられるようなのだが、これはそうではない。しかし、賢明な皆様にはこの号の意味は十分おわかりだろう。翌10月が東海道新幹線の開通である。したがって、新幹線開通前の国鉄の状況を表している号なのである。

東海道新幹線開通前の東海道本線は、まさに優等列車のオンパレードである。東京大阪間の移動は、昼間のビジネス特急「こだま」か伝統の特急「つばめ」「はと」、夜行寝台急行の「銀河」「すばる」「明星」「彗星」「あかつき」「月光」「金星」の七人衆がピンの部類、そこから昼行電車急行や九州方面へ行く長距離急行などがあって、いずれにせよよりどりみどりなのである。

一方で、東京発姫路行きの鈍行夜行客車列車も頑張っている。いや、まだまだ各地に長距離鈍行があった。山陰本線の京都⇔下関・門司間客車鈍行もあるし、上野発東北本線・奥羽本線経由青森行きなんてのもある。いや、全般的に普通列車もまた長い距離を走っていたのであって、今の時代の乗り鉄さんがいたらさぞかし目を輝かせるだろうと思う。

もっとも、列車の設備とかグレードは今の比ではないのであって、客車鈍行は戦前に作られた木製旧型客車だから、よほど我慢強くないと持たないだろう。なんせシートは小さいし、冷房もないしね。私は平成の時代になって夜行に当てられていた165系に乗ったことがあるが、それでも結構眠るには辛かった記憶がある。

もうひとつ、明らかに列車の本数は少ない。これでは短距離の区間利用には非常に不便だ。今だったらお客さんは逃げてしまう。長距離鈍行を削減して短距離のシャトル輸送に特化させる代わりに本数を増やした現在の措置はやっぱり相当だったといわざるを得ないのだ。

まあそれにしても、鈍行乗り継ぎができないようにデッドセクションを作り、無理矢理にでも特急、というか新幹線利用に誘導する今の商法もまたいいとは思えない。働き方改革の流れの中で難しいのかもしれないが、せめて繁忙期には夜行鈍行の復活があってよいだろうとも思うのだ。

でも、今にないものを探して、それに乗ることを妄想するのもまた楽しい。若くて元気な頃だったら東京発姫路行き客車鈍行に根性で乗ってみたかもしれないと思う。

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