昨日一昨日と書くべきことがあったからすぐには取り上げなかったが、できればこのままスルーして、いや葬ってしまいたい感傷を持った。要するに、15日土曜日に発表されたカープの新ユニフォームについてである。
原稿ユニフォームがデザイン的にも色使い的にもよいものだったから、新ユニフォーム導入の噂が流れてきたときに、よほどデザインを変えるかよほど目立たないマイナーチェンジになるかと思っていた。で、発表されたものだが、完全にその斜め上をいっていた。感想は一言、ない。ダサいという言葉とも違う。ダサいという言葉にはワルクチである中に一片の救いようがあるのだが、このユニフォームはそうですらない。言葉を失ったというのが正直なところである。
敢えて一言だけ前向きな?言葉で評価するとしたら、これはきっとAvant-garde artの一種に違いない。とある美術館(記憶が正しければ大原美術館だったと思うのだが、定かではない)で、何かを描いた後のキャンバスを全面黒で塗りつぶした絵を見たことがあるが、ビジター用ユニフォームを見てそれを思い出した。ホーム用の、白地に脈絡もなく飛んでいる赤の一本線も、現代美術の作品にありそうだ。
まあ、どんなユニフォームだろうと、勝てばすべてが免責されるのだ。西武ライオンズ黄金期のユニはお世辞にもセンスのいいものとは思わないが、あれはまさにライオンズの強さの象徴でもあったのだ。1973年後期の日拓ホームフライヤーズの「七色のユニフォーム」は、勝てなかったからこそ(後期3位だったけどね)インパクトを残せなかったともいえる。そういえば、カープもいっそのこと7色のユニフォームにすればよかったのにね。熱心なカルト信者だったら推しの選手のものを全7色買ってくれただろうに。
それはさておき、ユニフォームにAvant-gardeさを打ち出すんだったら、やるべき野球も現代を十年先取りするようなAvant-gardeな野球をやってほしいと思う。とにかく佐々岡くんのやってた野球、古くさかったんだよね。昭和50年代の野球を現代にやっても仕方ないんだけど、頭の中身がそれから一歩も進んでいなかったからどうしようもない。まあ新井さんがどれほどのものかはお手並み拝見だ。新井さんがどれだけ進取の気性を持っているか、見てみようではないか。
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