はっきり言って、今日の試合の結果には悲しみも怒りもない。あまりにも予想どおりの結果であって、それをただ受け入れるしかないというのが偽らざる気持ちである。きれいな軌道の半速球しか打てないヘボバッターに、高橋礼の球が打てるわけがない。残念ながら、それが現実だ。唯一予想が外れたとしたら、意外にハッチが誠実な内容のピッチングをしたというくらいだ。
6回3失点をクオリティスタートとして、先発投手の評価項目とするというのは、あくまで先発投手の安定感を示す指標でしかない。だからクオリティスタートをすればいい仕事をしたという風潮には与さない。しかし、ハッチ程度のピッチャーなら6回2失点は良しとしなければならないし、普通のチームなら勝てる。要するに今のカープはオフェンスが死んでいるということを端的に示していると言わざるを得ない。
その面からすると、新井の犯している重大な過ちは、いつまでたっても自分の子分のようなヴェテランを執拗に使うことである。そりゃ然るべき結果を出すのならば良いが、菊池の守備以外はたいてい終わっているから、結果が出る前からそれが見えている選手ばっかりなのだ。だから、やめりゃあいいのにと思う。
ただ、新井が自分の選り好みだけで使っているとも思えない。要するに彼らにはファンがついているし、だいたいヒエラルキィ上位にいるようなのが推していることが多い。だから、使わなきゃ使わないで、なぜ使われないのかという苦情が陰に陽にねじ込まれるのだろう。新井もそれなりに苦労しているのかもしれない。何も考えてなかったりして。
しかし、それがカープの現状の結果の理由だとしたら、笑ってばかりはいられない。普通のチームなら、いくらポンコツとはいえ外国人2人抜けたらそれなりのシャッフルはするのに、カープは頑なに拒む。そのせいか、ここのところウェスタンの成績も上がらず、内容も悪い。この週末は、新球団くふうハヤテベンチャーズにカード負け越すという醜態を晒した。もちろん試合内容は最低である。しかし、その責をファームの選手に負わせる気には到底ならないのだ。
来週はホームで5試合ある。しかし、ここで反転攻勢という可能性は極めて低い。ここまでの6カードで見えたものは、絶望的なまでの火力不足と、それを改善しようとしない哀れな組織のヘタレぶりである。さらに、他ならぬファンが「投手を中心に守り勝つ野球」などというカルト的言辞にとらわれて、現状を無反省に追認している姿がある。要するに、終末的だ。
こんな現状は、真剣に追いかけると脳みそが沸騰して心身に差し支えるから、生暖かく見守るだけにとどめておこう。なんせ相手はカルトだ。議論して理解してくれる相手ではない。しかし、ただ黙ってみている気はない。Françoise Saganの潜みに倣って、こう付け加えておくこととしよう。
『〈罪は、現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である〉
わたしはこのことばを、実行に移すよりもはるかにしっかりと、揺るぎない確信をもって、自分のものにした。わたしの人生は、このことばをなぞり、このことばにインスピレーションを受け、このことばからわきあがっていくのだろうと考えた。』(河野万里子訳)
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