矢野雅哉はいったいなにになりたいのか。

スポーツ

弊ブログではあまり一人の選手に焦点を当てて論ずることがないが、今日は思い立って標題のとおりの考察をしてみたいと思う。実際、カープファンの中でも彼の何が良くて何が悪いか分かってない向きが多いのではないかと思う。

矢野の長所、それは強肩とバランス感覚である。肩が強いだけならともかく、この体制からこれだけの強いボールが投げられるなと思わされることはあった。ただ、抜群に上手いショートかと言われると、なんか違和感があるのだ。まだ若いからかもしれないが、熟練の手練れというものをあまり感じないのである。

それでは短所はといえば言うまでもない。お話にならないバッティングの弱さだ。悲しいくらい非力な上に、それをカバーする技術もない。昨年9月に少々打てたのは、要するにノーマークだったからにすぎない。今やインコースにズドンと速い球突っ込まれるかアウトコースに落とされたら一丁上がりである。

と、いうことは前も書いた気がする。彼の最大の弱点は、自分の最終到達点というか、目指すべき道を分かってないということではないか。もっとはっきり言えば、昨年少々出られたくらいで、小園と互角かなんなら勝ったと思ってしまったのではないか。

はっきり言って、矢野はどう足掻いても小園にはなれない。打力の違いに目を瞑るほど守備力に差があるかと言われたら、違うだろうとしか言えない。はっきり言って、今のままではショートのレギュラーなんて無理だったのだ。それなのにショート起用にこだわり続けた新井が莫迦だったのである。

矢野が目指すべき道というか、こうなればとしてふさわしいのは、奈良原浩かもしれない。鉄壁の守備に加えて細かいプレイができる野球頭を兼ね備えたバイプレイヤー、でもチームには欠かせない選手こそ矢野の生きる道ではないか。そのためには、まず守備ももっとうまくならなきゃいけない。そして、”Thinking baseball”だ。この点は今の彼には徹底的に足らない。

今のままでは、ただ派手な守備ができる選手というだけで終わってしまう気がする。正岡真二、中尾明生という守備職人の系譜にも収まらないかもしれない。大橋穣を目指すなら、死ぬほど打撃を頑張らなければならない。しかし、もはや他球団から左寄り前進守備の「矢野シフト」を引かれてそれにまんまとはまっている現状では、苦しい。

今の矢野の立ち位置を見ると、畑違いだが若くして亡くなった元関脇の栃赤城関を思い出すのだ。抜群の反射神経で「土俵際の魔術師」と呼ばれ、かつ逆とったりのような奇手を得意とした。「サーカス相撲」と評されたりもしたのだが、実は技能賞を一度も取っていない。三役をそれなりに張って大関候補とまで呼ばれたにもかかわらずである。

厳しいようだが、矢野がゴールデングラフを取ったりオールスターに出られたりしたのは、他球団に確固たるショートがいなかったり怪我で出られなかったりしたこともあるが、はっきり言ってカープの球団当局が依怙贔屓して使ったからという側面が大きい。だから今年の夏場以降の成績こそ矢野の真の実力だ。

言い方は悪いが、矢野の場合は先ず自分の分を弁えることから始めた方が良い。そして、自分の将来像を真剣に考えるべきだ。そうしないと、何を頑張ればよいのかが分からなくなり、結局中途半端で終わるだろう。しかし、ちゃんと精進すれば金ではないものの金と同じように光る燻銀にはなれるかもしれぬ。

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コメント

  1. Иван Иванович より:

    カープは何故、ワンパターンの秋季キャンプしか考えられなのか?
    「井の中の蛙大海を知らず」状態では、いつまで経っても上達せんよ。

    矢野雅哉が若手という年齢ではないにしても、20才前後の若手たちと、海外ウィンターリーグへ派遣すればいいのにと思う。メキシコ・ウィンターリーグ(LMP)、プエルトリコ・ウィンターリーグ(LBPRC)、ドミニカ共和国ウィンターリーグ(LIDOM)ならMLBの若手(主にマイナー)が派遣されているので、そこそこ高いレベルの野球を体験できる。ケチのオーナーがカネを出さないのなら自費で行けばいい。

    毎年毎年、同じ事のリピートで上達するわけないやん。

    最近、学生の留学も含めワカモンが海外へ行く率が大きく下がっている。うちの会社でも、海外転勤どころか出張程度でも拒否する者が続出し、俺のような非常勤の爺にお鉢が回ってくる。
    先日も、ドイツの企業と事業協力するための調整役として事前に現地へ飛んで、と同級の役員から言われたので、何で非常勤の俺が行かなアカンねん!現役バリバリの若手に行かせろ!と同級の役員に言ったら、数人にあたってみたが、全員に拒否されたとか。アホか!そこを何とか行くように仕向けるのがお前(役員)の仕事やろ!と。それでも首を横に振るので、俺が話をつけてくると言い、目星をつけた若手社員を説得すると1分でドイツ出張を快諾した。
    説得法は案外簡単で、目的地がバイエルン州の都市シュタルンベルクでミュンヘンから30㎞弱(車で約30分)なので、お前の好きなビールを浴びるほど飲んでおいで。また、ベルリンまで1時間ちょいのフライトなので、ブランデンブルク門周辺を観光できるよう役員に伝えておく。と若手社員に言ったら一発でOK。

    やはり、たとえありきたりの観光でも、海外の空気を吸い日本との相違を肌で感じることは大切やと思う。

    野球に話を戻すと、海外ウィンターリーグへの派遣の他、NPBと米国マイナーリーグ'(AAA)との「レンタル的な交流制度」を新設すれば良いのになぁ、と。NPBの競技レベルや選手育成の幅を広げる可能性がある。

  2. 山田太郎 より:

    まあ管理人さんも矢野やカープの事などを案じるよりも、ご自分の体調の事や、この先のお仕事の事などを心配されたほうが良いですよ、多分。

    松田商店は当分は変わらんでしょうし。ストレスが溜まるばかりですぜ。お年頃ですし。
    ご自愛下さい。

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