昨日の試合前に松田元が新井はじめカープの面々を「激励」するという茶番を演じたことはすでに報じられているとおりだ。これについては、昨日書いた以上のことはないが、まあこんなのに騙されるのがおるんやと生温かく見るのみである。
ところで、補強最終日まであと4日と迫った今日、案の定当局は補強した振り目眩まし作戦をとった。育成の前川誠太と辻大雅の支配下登録である。こんなのに騙されるファンも悪いが、もちろん一番悪いのは騙す方だ。いや、もっと悪いのは騙した輩と通謀して騙されるように仕向けるやつなのだが。
もちろん、この2人が支配下にかなわないとまでは言わない。前川は昨年から急に良くなったし、打って守れる内野手だ。野球は決してブラッドスポーツではないが、父の宏文さんは私の一学年下で北嵯峨高校での選手権ベスト8投手であるという血統も良い。辻も今シーズン急に良くなったが、もともと入団当初のキャンプ時点から達川光男が褒めていたくらいである。だから、まあ当然と言えば当然の措置だ。
ただ、非常にザラッとしたものを感じる。蓋し、ここで支配下の2枠を埋めて幕引きにしたら脳内お花畑のカープファンは騙されてくれるというのがありありとわかる。明らかな補強やったふり作戦である。現状は意地でも変えない、でも変えたふりだけしてアホなファンを騙そうというのがありありとわかるのだ。
それに、この2人の支配下登録は、カープの現状の論点にかなうものではない。今のカープに必要なのはポイントゲッターである。しかし、前川をすぐに使ってすぐにそうなるという保証はない。シャビの時とは違うのである。辻がフランスアのように化けてくれたらともかく、そういう使い方が臆病な新井にできるだろうか。答えはNeinだと言わざるを得ない。
前川について補足すると、彼が今シーズン一番良かったのは開幕直後だ。その時に登録しなかったのは、ハジメが溺愛する矢野の役割を奪うからだろう。打てる内野手なんで、ハジメ的には彼の領分を侵す存在だったのだ。だから登録しなかったのだろう。表向きは枠の問題として。
実はこんな状況がずっと続いていて、2年前は開幕直後大当たりだった中村貴浩をなかなか支配下にしなかった。これはハジメが溺愛する野間を追い落とすものととらえられていたからに違いない。特に、かの「清水建設事件」の後だったしね。昨年は同様に佐藤啓介が開幕直後大当たりしていたが、おそらくは矢野の存在意義を落とすものととらえられ、なかなか登録されなかった。そういうものを見せられたらか、このところ若手選手のシラケぶりが見て取れるのだ。
この度前川の登録に踏み切ったのは、やはり菊池の衰えが隠せないことと、矢野の打撃が終わっていることが判明したからだろう。ここで手を打たないと、ハジメに対する批判が雨あられのように飛んでくることを察したからにすぎないと見る。しかし、転んでもただでは起きないのがハジメであって、おそらくはついでに辻を支配下登録し、70人枠を埋めることにより、これ以上の補強は意地でもしないということを鮮明にしたのだろう。
しつこくいうようだが、ハジメには絶対に現状に対する危機感なんてない。むしろ、現状は彼にとってオールOKなのである。チームをいかに優勝させないかということに心を砕いている悪徳社長だ。補強なんてハジメの頭にはもとよりないのだ。
ただ。ハジメにとっての誤算は、昨年の酷すぎた大失速と、これに輪をかけた今年の体たらくである。特に昨年は若手の伸びしろだとか何とか言って一切補強しなかったことが原因なのは、脳内フローラのバカープファン以外ならわかることである。さらに今年もっとひどい大失速をやらかしている現状、補強を一切しないという外形は取れなかったから、とってつけたようなことをしたというのが正解だろう。
だから、騙されてはいけない。前川と辻がどうこうではなく、これはカープファンに思考停止を強いるだけの措置なのだ。松田元が強いてきたカープファン愚民化計画の一環なのである。すなわち、これだけで済ます気か、もっと抜本的な戦力底上げをやれと言わなければならないのだ。
ホームでの対ジャイアンツ2連戦が見せたものは、いかに今のカープの自称主力選手がダメダメかということである。とにかく、ちょっと走れる守れるだけでオフェンスには何の役にも立たない非力ボーイズを切るべきだ。そして、少々荒削りでもパワーのある選手にシフトしよう。それで少々負けても、十分辛抱できるのだ。現状の負け方負けぶりは、もはや我慢の限界を超えている。






コメント
落ち目のNPB改革案として、そろそろ外国人オーナーOKにしてもエエんやない?最も反対していたナベツネもいなくなったことやし。
MLBシアトル・マリナーズだって、10年前までオーナーグループ筆頭は任天堂だったのだから(現在も10%の株主保有でオーナーグループに残留)。
日本のプロ野球は、兆単位の資産を持つ個人オーナーは孫正義だけで、マツダ君のような億単位程度のショボい資産では大したこと出来んやろ。貧乏ではないものの、オーナーとしてドーム球場建設、現役メジャープレイヤー複数獲得等、大きな事をやるには資産が億では足らん。言っちゃー何だが億単位の資産程度でデカい顔すんな。サッカープレミアリーグのニューカッスルのオーナーの資産は、3200億ポンド(49兆9200億円)でっせ。ま、日本にはそもそも大富豪がいないのだから、オーナーグループで共同経営すればエエやん。共同経営だったら、マツダ君のように好き勝手は出来んはずや。
もう1点、前から述べているように、外国人枠を撤廃することやね。日本人プレイヤーが1人もいない球団がいくつかあったらオモロイやん。
常識的な固定観念に囚われていたら、改革なんか出来ひんよ。