ふたを開けてみたら、高卒ルーキー投手だった。さもありなんという気持ちと、これで本当にいいのかという気持ちとが、いまだに相半ばしている。ただ、もうなんとも言いようがない。日高暖己、19歳、富島高校出身(甲子園出場あり)の人呼んで「山本由伸2世」である。とにかく、今は頑張ってくれと言うまでだ。
大本営発表界隈では、いかに日高はいいピッチャーであるかということが盛んに喧伝されているが、どう言い繕ったって「ロマン枠」であることには変わりがない。明日から山本由伸のように化けると思うのは些かおめでたいというべきだ。問題はなぜ日高に決まったかというプロセスだが、推測するにこうではないかと思っている。蓋し、以下のとおり。
バファローズが決して喧伝されているとおり「人材の宝庫」ではないことは何度も書いたところである。特にオフェンスの弱さは最大の弱点であって、ここにかかわる戦力を抜かれると結構痛いのだ。私が推していた来田涼斗や元謙太当たりでさえ、プロテクトしておきたいと踏んでいたのではないか。そうするとプロテクト40人枠から漏れる主力級選手が出てくる。しかし、西野とか福田とかのような、案外カープにうようよしているような小粒ちゃんをプロテクトから外したのではないか。彼らなら取られないと見越して。
もしそうだったとしたら、このFA戦線、カープは完全な敗北である。それを認めたくない向きは多いかもしれないが、認めなければならない。結局西川の穴がぽっかり空いたまま今シーズンを迎えることが確定したのであるから。これは非常に痛い。そして、放置は出来ない。すぐにでも末包や田村がレギュラーを取ってと思うのはおめでたすぎる。もちろんそうなってほしいのだが、そのためにはやはり彼らを育てるパートナーが欲しい。健人や奨成もいるのだが、やはりもうひとつパンチが欲しい。
ここは、やはり国内移籍市場しかないのではないか。大瀬良とか野間を売りに出してでも、存在自体にインパクトのある選手が欲しい。でも、きっとやらないだろうな。カープにとっては身を切って新陳代謝を図ろうという話だから、ハジメがそれに乗るわけがない。でもそのクラスを切らないと、中堅若手にオフェンスに貢献しない非力ちゃんがあまりにも多いから売り物にならないのだ。
というのも、詮無いというか空しい話だ。昨年の夏場以降、主軸を打てるようになりそうな選手の育成をサボり、非力ちゃんばっかり使ってきたツケが回ってきただけの話である。その非力ちゃんの筆頭は、たいした実績もないのに球団当局にかわいがられているから、余計に空しい。
念のために言っておくと、私は日高の実力を頭ごなしに疑う気はない。もちろん実物を見ていないから評価は出来ないものの、ひょっとしたら大化けするかもしれない。しかし、問題は今の今、西川が抜けた穴を埋めるピースとして、獲得する必要ありやというところなのである。それを理解できない自称カープファンが多いことを、悲しく思う。
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