とにかく、末包に尽きる。というより、よくこれほどのバッターをスターターで使っていなかったと思う。日曜日にグランドスラム含むマルチ安打を打ったバッターを、いかに右投手相手とはいえよく外したなと呆れてみていたのだが、それがこんなところで吉と出ることとなった。
もうひとり、アドゥワを褒めなければなるまい。九里が試合の流れを相手に渡してしまった直後に登板して、飄々と二人を抑えたのがその直後の逆転劇を産んだと言っていい。彼は本当に緒方くんの無理遣いの結果故障してしまったのだが、よくここまで耐えたと思う。日曜日はホールドでとどまったが、この白星で自信がまたよみがえるだろう。
まあ、結果は素晴らしくカタルシスを得ることとなった。なんか途中の九里のバタバタがそれを得させるためのアクセントであったのではないかと言いたいくらいである。それとも先制点が長野さんのエラーがきっかけだったから、そんな不浄の勝利はいらないというところだったのか、まあそれはわからないが。
しかし、ほんの数週間前までだったら、こんな絵に描いたような逆転劇はあり得なかったに違いない。本当に、天運がこちらに向き始めてきた証拠なのかもしれぬ。いや、向いているに違いない。京セラドーム大阪から阪神電車で程ない距離にある阪神甲子園球場では、タイガースが負けた。しかも、2-0を岩崎がひっくり返されるというショック残る敗北である。そして、優勝マジックが消えた。
もちろん、まだまだカープに優勝の目がというほどのものではない。しかし、何度も強調するところであるが、タイガースというチームは優勝目前の9月戦線に必ずなにかやらかす伝統がある。よほどぶっちぎらないと、最後勝てていないのである。だから、最後までしつこくついて行ったら、なにが起こるかわからない。
もうこの期に及んだら、強いチームが勝つのではない。勝ったチームが強かったのである。勝つためにはどうしたらよいか。点を取ればよい。点を取るためにはどうすればよいか。火力である。末包のような選手を全面に押し出してパワーで押し切ればよいのだ。
本当は今日の試合、山ほど言いたいことはあったのだが、言うだけ野暮だと思うので言わない。いや、9月末まで一切口にする必要なくしてくれればよい。なに、勝ってくれればよいだけだ。






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