悪くても悪いなりの引き出しと意地で抑え込む栗林良吏の姿は、まさに「本物のプロ」と呼ぶにふさわしい。 一方で、たかだかヒット1本で満足気に鼻を鳴らす野手陣の現状には、開いた口が塞がらない。昨日散々に書いた佐々木泰が結果を出したところだが、今日程度の数字で昨日の罪が消えてなくなるわけではないのだ。 小粒な選手ばかりを連れてきては小さく育て上げる球団当局と、勝てないチームを甘やかすコアファン層が生み出した負の遺産。栗林の真価と佐々木の現在地から、プロの峻厳さとカープの歪んだ構造を淡々と浮き彫りにする。
栗林良吏という「本物」と、及第点に過ぎない野手陣
今日の試合を見て分かったことは、栗林良吏はやはり素晴らしいということだ。間違いなく、現在のカープにおいては数少ない「本物のプロ」であり一流選手である。ここ数試合こそ内容・結果ともに伴わない場面があったが、状態が悪くても悪いなりに抑え込む引き出しと結果を出せるのは流石と言うほかない。良いときしか結果を出せない二流選手や、そもそもプロの土俵に立たせてはいけないような三流選手が蠢く今のカープにおいて、彼の存在は際立っている。
オフェンスに目を向ければ、マルチヒットと逆転タイムリーを放った大盛穂の働きはもちろん見事だった。だが地味に効いたのは坂倉将吾だろう。四球を選んで攻撃の起点となり、一番欲しい場面でタイムリーを放ったからこそ勝利が転がり込んできた。ただし、坂倉の現在地がこの程度で満足されては困る。少なくとも四番打者の仕事としては及第点に過ぎない。辰見鴻之介の走塁等を褒める向きもあるかもしれないが、足くらいしか売りのない選手が出された場面で失敗など許されないのは当然だ。この程度で手を叩いて褒める気にはなれない。
佐々木泰はこの程度のものか——「縮こまった大砲」への苛立ち
さて、昨日さんざん叩かせていただいた佐々木泰である。弊ブログの指摘が本人の耳に入ったわけでもあるまいが、今日は引っ張って2安打1犠飛。これで打つようになるのなら毎日でも悪し様に書いてやるところだが、内容としては依然として乏しい。というより、彼の提示する現在地がこんな小じんまりとした姿であっては存在価値がないのだ。
あの場面であれば、外野の間を豪快に割るような鋭い打球を放ってほしいし、本質的には試合を決める逆転スリーランを期待したいところだ。だから、たかだか2安打程度で手を叩くような真似はしない。もっと死ぬ気で、己のポテンシャルを発揮してみろと言いたい。
少なくとも今のカープにおいて、佐々木泰はファンがもっと「推し甲斐」を感じられる選手でなければならないはずだ。戦国東都で名を馳せた期待の長距離砲ではないか。一体どんな教育と指導を施せば、これほどまでに小さく縮こまった選手に成り下がるのか。残念でならない。目標とする選手に鈴木誠也の名を挙げているそうだが、誠也と比較すれば身体の強さも野球に向き合う執念もあまりに甘い。誠也が高卒4年目で29本塁打を放ち大ブレイクした事実を考えれば、佐々木の今の足踏み状態は明白な「遅れ」である。
小粒な選手を愛でる球団と、歪んだ共犯関係
そもそも今のカープには、心から「推し甲斐がある」と思えるスター候補生が皆無に等しい。いたはずの芽すら、ことごとく「エトミデートの煙」に塗れて消えてしまったかのようだ。管理能力を欠いた球団の甘さと言ってしまえばそれまでだが、仮に誰とは言わないがスタアたり得ない三流選手の分際で球団内に不穏なエトミデート疑獄を持ち込んだのだとすれば、それは万死に値する愚行である。
こうした状況を招いた根底にあるのは、「守りの野球」だの「伝統の機動力」だのという耳ざわりの良いお題目にかこつけて、小粒な選手ばかりを獲得し、小さく小さく育ててきた球団当局の愚かさだ。そして、それを「カープらしくて良い」と後押しし、勝てないチームを甘やかしてきたコアファン層との歪んだ共犯関係の賜物に他ならない。三連覇の栄光からチームをここまで低迷・堕落させた松田元の責任は重大だが、そこに結託して低空飛行を肯定し続けてきたファン層もまた、同罪と言うべきだろう。
プロの峻厳さと明日への冷ややかな視線
昨日惨状を晒した佐々木泰をはじめ、このところ批判の的にしてきた選手たちが今日それなりにヒットを放って勝利に貢献した。しかし、昨日の失態があっての今日であることを思えば、手のひらを返して拍手喝采する気など毛頭起きない。繰り返すが、今日程度の数字で昨日の敗戦の重い責任が消えてなくなるわけではない。プロの世界がいかに峻厳なものであるか、佐々木にはその身をもって噛み締めてほしいのだ。それが理解できないようであれば、野間峻祥の域にすら届かぬままキャリアを終えることになるだろう。
明日からはホームにジャイアンツを迎えてのカードとなる。名古屋からの当日移動となるカープに対し、ジャイアンツは前日移動で広島入りして体調を整えているはずだ。選手のコンディション管理や起用法には細心の注意が必要となるだろう。予告先発は森下暢仁と竹丸和幸の対決となる。申し訳ないが、この相手を打ち崩して勝てないようであれば、今後二度と「クライマックスシリーズ」などという言葉を口にしないことだ。もっとも、現状のチームにそんなことを語る資格など最初から存在しないのだが。
プロの世界は、たった一日の帳尻合わせで過去の不甲斐なさをチャラにできるほど甘くはない。 「小じんまりとした好成績」で満足しているうちは、佐々木泰が真の主軸として覚醒することも、このチームが底なしの沼から抜け出すことも永遠にないだろう。明日からは移動日なしのハードスケジュールでジャイアンツを迎え撃つ。 当日移動の言い訳を準備する前に、目の前の相手を力でねじ伏せて見せよ。それができないのなら、二度と「CS争い」などという戯言を口にするべきではない。
人気ブログランキング

コメント